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【番外編】金と黒 35
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ぐいっと拡げられて、亀頭が中に入った。しかし、健人は一気に入れることはせず、入り口を慣らすように入れては抜いてを繰り返している。
とうに慣らしているし、早く指では届かなかった奥まで突いて欲しくて、明は襲い来る焦燥感に苦しそうな表情を浮かべた。
「やだ……焦らさないで……」
明の身体は物欲しさに身が震え、蜜孔もきゅんきゅんと収縮をさらに強めている。
ようやく長い竿が入って来たかと思うと、肉ビラを一枚一枚撫でるよう挿入されて。健人が大きく息を吐いた。
「すげー気持ち良い……俺が入ってくんの、感じる?」
「感じる、感じるから一気に来てっ」
すると、ふっと小さく笑う声が聞こえて、健人に腰を押し込められた。
目の前に走る閃光。ひくっと太腿が跳ねて止まらない。明はうっすら瞳を開き、奥まで入っている健人を感じた。
健人と繋がっている。ずっと、ずっと好きだった健人と。健人のそばにいたいとありながらも、想いを告げようとは微塵も思っていなくて。一度は本当にこれで終わりだと思った。離れて忘れようとしたけど、忘れられなくて辛かった。でも、その健人が今は恋人として目の前にいる。
(あれ、おかしいな……)
視界が歪んだかと思うと、涙が溢れていた。
嬉しい。そう感じたのだ。あの時の凛の気持ちがやっとわかったかもしれない。
不思議と温かかった。きっと今なら言えるかもしれない──。
「健人……、っ、すき……だよ?」
震える喉を振り絞って、明は素直な気持ちを口にした。恥ずかしいのは恥ずかしい。けれど、明なりに精一杯頑張った。
まだ揺らぐ視界の中で、健人が息を詰めたのがわかった。ドクッと中にあるペニスも反応すると、そのままじゅわっと熱が広がって。えっ……と驚くまま、明も伝染するように快楽に浸った。
すべて出し切った健人の小さい舌打ちが、頭上から聞こえてくる。
「あーあ。不意打ちだろ、今の……」
「限界まで焦らしたせいでしょ……」
「可愛すぎ……明ってこんなに可愛かったっけ? 今までのはなんだったんだろうな、俺たち」
「……わからないよ」
舌打ちしたにもかかわらず、健人は妙にご機嫌だった。ニヤニヤした顔でじっと見つめられるのは嫌で、手で健人の顔を押し返すと、手のひらにちゅっとキスをされる。
「好きだよ、明」
そして、健人の手が明の背に回り、抱き起こされた。自重で挿入が深いものとなり、明からは少し高めの声が出て。
思わず出てしまった声と、健人からの好きという声に明の頬はほのかに赤くなる。健人はニッと笑った。
「ぎゅってしながらシよー?」
「……うん」
健人が明の腰を支え、明は健人の首に腕を回した。
腰を浮かされて、一突き。オイルと中に出された白濁のせいで、ぐちゅ、と卑猥な音が結合部から鳴って静かな部屋に響き渡る。
「すげー音」
「部屋が静かだから、結構恥ずかしい」
「って言われてもなー」
そう言いながら、健人は奥を小刻みに揺らして。くちゃくちゃと音が小さくなることはない。
「健人……」
「わりぃ……けど明ならすぐ気にならなくなるだろ」
なんだか貶されたような気がする。どういうこと、と聞こうとすれば抽送が始まって、残念ながらその言葉は喘ぎ声に変わった。
健人の言葉は、すぐに明へ叩きつけられた。内壁をペニス全体で擦られるのが、とんでもなく気持ち良い。焦らされた分が、ここで甘い痺れを起こし、敏感に感じ取ってしまうのだ。他のことを気にしてられないくらいに、明は快楽の渦に溺れていた。
長いストロークで奥を執拗に突かれれば、下腹部が重たくなって。
「あ、あっ……ぁ、イく……!」
簡単に白濁が押し出される。それを何回か繰り返していくうちに、いつの間にか透明になっていて。
イくたびに健人が休憩を挟んでくれるが、実際に明としては休憩になっていない。余韻でふわふわしている状態で再び揺さぶられるので、今では健人の肩に顔を乗せて白旗をあげている状態だ。
倒れないようにと、明は健人を抱き締め直す。そこで、ふと肌が触れ合っていることが心地良く感じた。じわっと心が高鳴るようなものが広がり、突然と、あの甘ったるい口づけが恋しくなる。
「けん、と……」
「んー? イきそう? 俺も、あともうちょい……っ」
打ちつけられる腰のリズムが速くなる。
明は耐えながら健人をぎゅっと抱き締め、耳に唇を近づける。あまり大きな声で言いたくはなかった。
「く、口……」
「口? それがなに?」
「……さ、さみしい……から、塞いで……」
伝えた瞬間に、ぴたっと腰の動きが止まった。
すると、勢い良くベッドに押し倒されて。さっと獣じみた瞳が見えたと思えば、唇が塞がっていた。舌をねじ込まれて、愛撫されて。明はキスに応えながら、押し倒された時に外れた腕を再度、健人に絡める。
熱烈なキスに油断している中、ずんと奥を突かれ、身体が跳ねた。こちらも情熱的で、水音以外にも肌がぶつかる音が一緒に奏でる。明は上り詰めていく感覚に健人のペニスを締めつけた。
チカチカと星が舞う中で、唇が離れていく。二人には銀糸が繋いで、健人がふっと笑うと、額をくっつけた。
「明、可愛い……好き。明も……好きって言って?」
明は恥ずかしいと首を横に振る。
「なんで? 言えよ、聞きたい……ほらっ」
「あっ……だめっ、健人……ぁ、っ、すき……」
消え入る声で好きと伝えると、再び唇が重なる。濃厚な口づけを受けながら容赦なく突き上げてくる腰に、明は身悶えて何度目かの絶頂を味わった。そして、そのあとすぐに奥のほうで出される熱をちゃんと感じた。
一通りの行為を終えてもなお、明と健人は口づけを続ける。しばらく交わしていると、明からはいつになく可愛らしい声が聞こえてきたとか。
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