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【番外編2】裸足のシンデレラ
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このお話は『金と黒』に出てくる祐馬×凛のお話です。
こちらも最初のほうにCP以外の絡みがありますので、苦手な方はご注意ください。
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シンデレラのような恋がしたい。これは凛が昔から憧れていたことだ。魔法で生まれ変わり、夢のような世界で王子様と恋をする。なんて素敵なのだろう。
凛は元々、女の子のような容姿で、小さい頃は母親に可愛らしい服を着せられていた。シンデレラの話を見て、目を輝かせながら「凛、シンデレラになりたいっ!」と言っても、母は「凛も王子様に会えるといいね」と微笑んでくれた。
その乙女思考は抜けず、恋愛対象も同性となってしまったわけだが……凛は懲りずに王子様を探している。
凛が入っていた乱パグループは、健人と明が付き合うことにより脱退して、それから落ち着きを見せていた。これまでは行動力のある健人が先導していたためか、その本人がいなくなってしまって、なんだか中だるみ状態である。
定期的な集会も少なくなったし、健人と明が抜けたことが発端となり、抜ける人も出てきている。二人に多く絡んでいた祐馬まで抜けてしまった。状況は解散直前のようなもので、元彼を断ち切るために刺激と出会いを求めていた凛も結局抜けるということを決断した。
そして、凛は明のことが好きだった。優しく撫でてきた指に、イメージでオーダーしてくれた桜色のカクテル。理想的な王子様の印象だった。今でも恋に落ちた瞬間を思い出して、うっとりしてしまう。
綺麗で美人な王子様の明は凛から遠すぎて、なかなか話しかけられずに、ついつい明の近くにいた健人を頼ってしまっていた。それが仇となることとは知らず。ようやく話しかけることが出来て、キスもセックスも気持ち良くて。幸せだったのに、明は王子様ではなかったし、その上、傷つけてしまった。和解をして時々会う際には普通に喋るが、やはり消えないものが残っている。
(あ……でも、頬の痕はすっかり治っちゃったな。それはそれで寂しい……って思っちゃ駄目だよね)
「凛ちゃん、なにを考えてるの? 少しはこっちに集中してくれないと困るな……」
「あっ」
グループから抜けても、刺激は求めている。明の幸せが一番と言っても、失恋は失恋だ。悲しみを忘れたいのか、それこそ、いまだに元彼を引きずっているのか──。
付き合わない、気軽に肌を合わせたい。王子様を探すはずが、訳アリで条件が一致した人とセフレを作っては慰め合っていた。そうするだけ虚しいことはわかっているけど、寂しくて身体が疼いてしまうのだ。
「あ、あ、ん……だめっ、あし……立ってられない……っ、ベッド……」
「なんで? いつもよりアソコ濡らしてるくせに……ほら、テーブルちゃんと持って……はあ、千紗子……っ」
(……また奥さんの名前、呼んだ)
ちなみに凛の相手をしている人は既婚者。凛が知ったのは最近のことだけれど。
この既婚者──道彦と出会ったのは本当にひょんなことで、ファミレスでぶつかってしまったことがきっかけだ。道彦の持っていたコーヒーが凛にかかってしまい、謝罪やらお詫びをやらとやりとりをしていると連絡をとるようになって。逢瀬を重ねては言葉を交わすうちに、身体だけの関係になった。
とはいえ顔も性格も、まあ悪くないと思っていたらコレだ。それでも、この関係を続けているのは、凛の周りに頼る人が誰もいないからだ。お互いに都合の良い相手だった。
こうやってすぐに手を伸ばせて、手軽な人を頼ってしまう。これが凛の悪い癖だ。
「イくっ、イくイくぅ……!」
「あ、締まる……中に出すからねっ」
背後から激しく突き上げられる腰に、凛は声にならない声を上げ、身体を震わせた。ガタガタと揺れるテーブル。床には凛の白濁が飛んでいた。
道彦から解放され、凛は崩れ落ちるように床に脚をついた。快感の余韻で脚が痙攣を起こしていて、これは当分力が入りそうにない。帰るまでに治ればいいのだが。
呼吸を整えていると、なかなか動かない凛を見かねて道彦の腕が回ってきた。そして、そのまま抱き抱えられ、ベッドへと連れていかれる。その時、とろりと中に出されたものが流れていく感覚がして、小さく喘いでしまった。
「気持ち良かった?」
「ん……よかったぁ……」
蕩けた声で言えば、道彦は凛の首筋や背中にキスを送りながら、手をペニスの先端へ伸ばしてきた。
射精したばかりのそこは敏感だ。そこを包むように擦られ、凛は慌てて道彦へ振り向いた。しかし、いいでしょ、いいよね、と同意を求めるような視線を向けられた上に、会陰部分を押さえられて。
「道彦さん……それは、ちょっと」
道彦の触る手は、どこか女性に対して触っているように動く。会陰だって、女性の芽を触っているような……その先に妻を見ているのだから、どうしようもない。
「凛ちゃん、いいよね? こんなプレイなかなか出来ないからさ……エッチな凛ちゃんが見たいな」
「あ、ぁ……っ、漏れちゃう……」
駄目。不倫だっていけないと、道彦と別れなくてはと頭ではわかっている。けれど、楽なほうをとってしまう。だから上手くいかない。
シンデレラなんて、なれっこない。
──勝手にすれば? そもそも付き合ってないだろ、俺ら。別にお前じゃなくても、ちゃんと本命いるし。
──凛の良いところっていったら顔だけじゃない? あと……簡単にヤらせてくれるとことか?
──お前がいなければ……。
「……ごめん、な、さ……」
頭の中を埋め尽くす言葉の数々。凛は荒く息をする中で、小さく謝罪の言葉を呟いた。今更、言葉にしたって届くわけがないのに。
道彦の手は、半ば強制的に誘導させるように凛を責め立てた。我慢の限界である凛の身体が小刻みに震え始める。それを見逃さなかった道彦に脚をめいいっぱい広げられて、前立腺を押された時、すべてが弾けてしまった。そして、とうとうぷしゃっという音とともに、凛の目の前が真っ白になったのだった。
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