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クラス1-A
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プライド高い奴が、多すぎる。
成績順に振り分けられるクラスで、もっとも優秀なA。
当然、亮平はAクラス。
編入組の半分も、このクラスらしい。
編入生は編入生でエスカレータより頭がいい、という方向性でプライドが高い。
エスカレータ組はそれで、何年もAクラスはってんだとプライドが高い。
廊下側の最前列という、なんとも微妙な席で、亮平は頬杖をつきながらため息をついた。
どういう態度をとっていいかわからないし、そもそも、成績順の席というのは性格が悪い。
今まで山原という苗字のおかげで、スタートは大抵窓際だったのに……。
ばればれだ。
亮平が最も成績がよかったと、ばればれのこの席。急に声はかけてこないものの、視線が刺さる刺さる。
「おめぇ一番なん?」
教員はまだ教室に来ていないし、生徒もまだ全員揃っていないからだろう。
隣の生徒が話しかけてきた。
亮平は肩をすくめると、すっと目をそらした。
「なあ、俺その席狙ってっから。覚悟しろよ」
昨日見た生徒だった。編入生だろう。亮平の後ろには、10人ほど人がいる。
亮平の隣ということは、順位で言ったら十数位だろう。
1位の前にベスト10でも狙ったらどうだろうか。
どちらにせよ、亮平は1位を3年間、誰にも譲る気はなかった。
だいたい3位くらいまでなら学特を取り消されることはないだろうが。危険は避けたいし、大学にでも行く時、ずっと学年1位というのは、なにかしら足しになるだろう。
「相手にされてねぇええ……」
一瞬だけ、その生徒を見た。
頭をがしがし掻いている。亮平は小さく聞いた。
「名前は?」
「え、俺? 山谷 俊」
「おれ山原 亮平」
「お、山か」
亮平は制服に顎をうずめるようにして頷く。
「これで、順位発表のときにお互いの順番わかるから」
俊がなにか言いかけた、ところで、教員入ってきた。
「黙れ座れ来てないやつ誰だ」
これまた癖がある教員に辟易する。
編入組とは話せるが、エスカレータ組の雰囲気というか、ノリがわからない。
初日だし、段々とでいいのだろうが。
「やまはら 亮平」
「はい、やんばらです」
話半分に聞いていた教師の話で、始まった点呼に応じつつ、なんとかやってかなきゃな、とぼんやり考える。
亮平の頬杖から、顎が外れかけたのを慌ててとめた。
隣で俊が噴き出す気配がした。
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