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舞い散るのは桜…じゃない!!!!
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※ピンポンパンポーン(アナウンス)
この小説はかなりお下品な内容を連発しております。読む際は道路を渡るのと同じように、右左、後ろ、前、斜め上、確認してからお読みください。
それでは、本編始まりマース!!どーぞ!!
* * *
春、新しい制服を着た黒髪の少年が正門を通る。太陽に反射して薔薇色のネクタイピンが光った。ここYモリ男子高等学校は金持ちの息子が多くを占める全寮制の学校なのだ。
女性教師はいなく、ここにいるのは全員男である。
雲一つない青い空の下、心地よい陽射しを浴びながら少年はスマホを片手で持ち親指で操作していた。
──── どーしよう……親指の動きが止まらないよ!!!!
少年から数メートル先。肩を組んでレンガ道を歩いている2人は楽しそうである。
それを画面で確認する少年は隠し撮りしているのだ。
満足するまで撮ると例の人に画像を送信する。そう、相手…姉も少年と同じ人種なのだ。
……ブーブーとスマホが振動した。
「もしも『おっはよー!!可愛い弟よ!!!!今日も黄金比率な素晴らしい萌えをありがとう!!!!』」
甲高い声が少年の頭に響き、少年は耳からスマホを少し離した。
「おっおはよう……お姉ちゃん」
『高校はどう?』
「山に囲まれてる!!山山山ってかんじ!!!!」
『そっかー!!楽しんでね!!これからも萌えの提供よろしく!!』
「了解であります!!」
少年は敬礼すると電話を切り昇降口まで歩く。
昇降口の中に入って少し広いスペースがある。その壁に貼られた紙を見ると指定されたクラスに入った。
黒板に書かれた大きな文字。そこには体育館前へ集合と書かれてある。
自分の席を確認すると体育館前まで行き整列した。
『新入生入場!』入場すると大きい拍手が五月蝿いほど耳に響く。
縦、横、まっすぐきれいに並べられた椅子には在校生とその保護者が参列していた。
その真ん中だけ開けられた道を新入生たちは歩き席に座り、かっちりしたスーツを着た校長や来賓の人の祝いの言葉を聞いていた。
──── それにしてもピリピリした空気が漂ってんな…
バチンッ!!!!
いきなり電気が消え視界が暗くなり周囲の人たちはざわざわと騒ぐ。
バン!!
数秒経ちステージ中央に立つ男にスポットライトがあたった。
男はここの制服を着ているので生徒だろう…顔を隠すためか、女物のフリルの多い紐パンを被っている。
「新入生の皆さん!!ご入学おめでとうございます!!入学祝いのプレゼントをご用意させていただきました。どうぞ使ってください!!!!!
セクロス!!!!!!!!」
男が最後の言葉を言った瞬間に体育館全体が明るくなりブワッと風が吹く。あまりの強さに少年は数秒目を瞑った。
ゆっくりと目を開けばライトの光でキラキラと光る何か。それは時間をかけて落ちてくる。
──── わぁ~綺麗な桜……じゃない!!こっこれは…………
……………コンドームじゃねーか!!!!!
そう、舞い散るのは桜ではなくコンドームだったのだ。
「なにこれ?」
学生達はコンドームを拾い首をかしげている。
──── えっ?ここの生徒はコンドームを知らないのか?
犯人(パンツの男)は腕に風紀委員と腕章が巻かれた人達に取り押さえられている。
ステージ上で取り押さえられている変態と、理解ができていない周りの反応がカオスである。
「またおまえか!!学生規則 第62条と第63条 !! 校則違反だ!!」
40代だろうか、校長がステージ上の男に怒鳴る。
「今ピンクのものを持ち帰った場合、校則違反として厳重に処分するからな!!」
教師が呼びかけるとコンドームを持っていた生徒たちは床に捨てる。
驚きを隠せない少年はスマホを持ち電話をかける。
「お姉ちゃん…ここヤバイよ…無理だよ……やってけないよ!!!!」
『その様子だと勇者がやったみたいね!!あんたは勇者と一緒にこの学校を変えるのよ!!』
──── 勇者ってあのコンドーム野郎か……
「えっ!!やだよっ!!!!」
『命令よ!!!頑張りなさい!!!!』
プツ…
雑に切られた通話。
姉から勧められたこの学園はいい所だと思ったが、訳ありではないか。完全に騙された。絶望的で現実を受け入れたくない。
「…お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!!!!」
少年はスマホを胸ポケットに入れると、長い溜息をついた。
「最悪だっ!!!!!」
その後、眼鏡をかけた教師の指示に従い新入生たちは椅子から立ち上がり体育館を出て行った。
楽しみにしていた高校生ライフ。萌えを夢見ていたがそれは簡単に崩れ落ちた。少年は肩を落とし溜め息をつくしか出来なかった。
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作者です。
題名を「このごら(略)」から「姉に勧められた学園はワケありだった…」に変更いたしました。把握の程よろしくお願いします。
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