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父親
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※悠人side
部屋に戻ると、制服を脱ぎ捨てベッドに倒れた。
窓から暗い部屋に明かりが入る。
溜め息をつき目蓋を閉じた。
─────…
いつの間にか夢の世界へと吸い込まれた。あぁ、見たくもない夢。小さい頃の忘れたい記憶。
「あんたがっ、あんたがいるせいで!!」
血の繋がっていない母親から受ける罵倒と暴力。しゃがんでいた悠人は、髪を掴まれ床へと頭を押し付けられる。
「その髪見るだけで吐き気がするのよ!!」
悠人を生んだ母親に似た金髪と茶髪が混ざった髪。
美しい髪色だが義母には汚く見える。
笑えば見下しているのかと、笑うなと、言われ続けた。
悠人を生んだ実の母親はこの屋敷の使用人であり、西洋人であった。父親であるこの屋敷の主とは不倫関係であったらしい。
妻が夫の不倫を知った頃には、不倫相手のお腹には悠人が宿っていた。
そして、悠人が生まれた頃、母親は姿を消した。
一人残された悠人はこの屋敷で暮らすこととなるが…
悠人が成長するにつれ、母親に似ていき、怨む義母は悠人に暴力を振るった。
(僕だってこんな家に望んで生まれたわけじゃない)
反抗心は少しずつ削られ、何時しか逆らえなくなる。
助けてなど言える勇気もなく、ただただ耐え続けた。
「あんた、あの人の前では笑ってなさい。怪しまれると困るから」
虐待を隠すように着せられた長袖長ズボン、ニコニコと付けた仮面は他人から見れば仲良し家族である。
「悠人、こっちでお菓子を食べよう」
何も知らない父親は笑顔で悠人の頭を撫でた。撫でられるだけで殴られるのではないかと反射的に目を瞑る悠人。そんな様子に気づいた義母は隠すように悠人は恥ずかしがり屋なのだと嘘をつく。嘘に騙される父親は、その言葉を信じた。
もし、真実を言ったら父親は信じてくれるだろうか。
悠人は見上げて父親を見る。
無理だ…
笑いあってる2人を見て絶望的だった。
─────この屋敷に僕の味方はいない…
───────────────────
1年A組 愛葉悠人(あいば はると) 旧姓→花山院(かさんのいん) 主人公 被害 BL漫画など 一人称→俺だったり僕だったり 腐男子歴7年 姉がいる 黒髪
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