アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
先約
-
side タイガ
「今回の反省は?」
「授業中寝ていたことです」
「なんで寝たんだ。家では寝ないのか」
「寝ています」
「中高生は眠い時期だからなー、でもだからと言ってずっと寝ていていいわけじゃないんだ。わかるだろ?……」
もう1時間近く同じ話をしている気がする。俺としては、早く2人の元へ帰りたかった。しかし目の前の教師はまだいかに中高生が眠いかを語っている。正直、この話の方が眠かった。
2人はもう帰っただろうか。帰っていてほしい。でも、この鬱屈とした世界を壊しにきてほしい、そう確かに思った。いっそのこと、赤点覚悟でここから逃げ出してしまおうか。逃げて逃げて、2人の元へ行くのだ。きっと2人なら匿ってくれる。
でもダメだ。間違いなく2人を心配させてしまう。親より親らしい2人のことだから、なんなら一緒に謝りに行ってくれてしまうかもしれない。俺は心底、あの2人のことが好きらしかった。
その時だった。先生の背後にある引き戸がゆっくりと開く。そこには求めていたものがあった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 17