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元々、俺の子は
子宮には居なかったらしい。
Ωの男性には
比較的多く発症しやすい
異所性妊娠つまり
子宮外妊娠をしていた。
俺の持病は
ホルモンバランスを崩しやすい。
ホルモンバランスが崩れれば
もちろん子宮や
卵管の働きは悪くなってしまう。
男のΩは元々、
ホルモンバランスが乱れやすく
リスクが高いが
ハンデのある俺は
余計にリスクが上がる。
確かにエコー検査をしても
子供を包む胎嚢が見づらいとは
元々、言われていた。
もしもう少しして
胎嚢が見えなかったら
子宮外妊娠をしているから
注意だよとも
ちゃんと言われてたのに。
そんな事、忘れて浮かれてた。
こんな未熟な俺でも
子供を授かることが出来たんだって。
早とちりして何も考えないで
何回も苦しい状態にしていたのに
この子なら耐えられると
どこかに身勝手な幻想を描いていた。
俺の責任。
ごめんね。
俺、親なのに約10ヶ月
君が暮らす場所さえ
ちゃんと整えてあげられなかった……
親なのに何も
君にしてあげられなかった……
もう既に緊急手術をしているから
俺の中にはいないのに
お腹を擦ることをやめられない。
先生から説明されたのは
俺は卵管妊娠をしていた為、
1個卵管を摘出したという事と
まだもう1個は残っているから
次もまた妊娠することは
可能だということ。
だけど、俺の元に来てくれた
あの子はもういない。
唯一、零斗が俺に残してくれた
あの子は俺のせいでいなくなってしまった。
俺のせいで……
俺が、あの子を……
ごめん……
ごめんね……
泣いてもあの子が
戻ってこないのは分かっているのに
その日は涙が枯れるまで泣き続けた。
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