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会長、お久しぶりです 01
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おれには生まれてからずっと恋をしている人がいる。
「いいんちょう?」
「佐伯くん入試の成績クラスで1番いいから」
「から、強制なんですか?」
「うん」
なんて学校だ。
おれは勉強するためでも部活をするためでも、ましてや委員長になるためにこの高校に入ったわけじゃない。
健全な男子高校生として、愛する人と恋に落ちるために入学したのに。
「うわっ、智幸入試トップだったの?すげーな」
「こんなことなら勉強しなきゃ良かった」
中学からの友達のヨシくん。メガネキャラなのに頭が悪い。
「ヨシくん、委員長変わって」
「ぜってーやだ。つーか、クラス委員って生徒会と仕事するんだろ?お前の好きな、」
「せいとかい、生徒会ってことは生徒会長?」
「もちろんいるだろうな」
「先生、おれ、クラス委員やります」
「おーそうか、ありがとな」
「委員会はいつからですか?」
しばらくは新入生オリエンテーションとか施設案内とか時間割確認とかもろもろあって、委員会活動は4月下旬らしい。
それなら、わざわざ首を長くして待つ必要はない。
委員会なんて、たてまえのひとつ。
「ヨシくん、生徒会室ってどこ?」
「は?お前活動はまだだって」
「急がば一直線」
会長と青春を謳歌するために、おれはこの高校に入ったんだ。
もう今さら、なにをどう待てばいい。
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