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最近話題の大阪人ユーチューバー
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準備も終わり、3人でたわいも無い雑談をしていると、少し大きめのカメラを構えた2人の青年が此方へやって来た。
目鼻の整った男性と、カメラマンには見えないメガネをかけた普通の青年。
2人とも僕らと年齢は近く見えた。
「ちょっと君らを取材させて貰ってもええかな」
取材と言っても、2分程度の動画なんだけど…と前置きをして。
「そちらは?」
僕は、不審に思って尋ねた。
テレビ局でもないのなら、一体何のために撮影するのかと思ったからだ。
「僕ユーチューバーのぼんって言います」
ユーチューバー。
最近活動的になって来たネットに動画を投稿する人たちだと認識している。
やはり怪しいの…だが。
しかし、僕の反応とは打って変わって、島くんは目を輝かせていた。
「マジっすか!ぼんって今かなり有名な!」
どうやら、名が知れた人だったらしい。
「ほら先輩、ぼんってラップが上手いユーチューバーですよ!」
クラスメートから聞いたことあるような気もするが、思い出せない。
つくづく、僕はこういう普通の人が常識とするものを知らないのだな…と実感する。
「僕ね、最近話題の高校生写真部がずっと気になっててなー!」
初めの第一印象は少し無礼な人。
だけど、段々と彼の気さくで明るく、話しやすい態度に気が許せた。
「君らの宣伝も兼ねて…って、どうやろ?」
確かに、これまで僕らはSNSや卒業生、在校生を通してしか宣伝をしてこなかった。
それ故に、知名度もそこそこ。
今まであまり考えたことはなかったが、購買者は身近な人と限られていた。
しかし、YouTubeだと非常に有利なのかもしれない。
と、利益ばかり考えてもしょうがないのだが。
自身としては、著作権が絡むので写真集の中身を見せなければ大丈夫。
「僕は問題ないよ。島くんと、レンはどうかな?」
その旨を伝えると、2人とも快く返事をしてくれた。
「もちろんオッケーっすよ!むしろ、めちゃくちゃ嬉しいです」
だけど…。
この場にいないが、写真部の全権を委任している部長にも確認を取る必要がある。
「部長にも聞いてみますね」
席を外して即座に電話を掛ける。
今この場所で広報部長を担当しているのは僕。
僕個人は、もちろん良好と返事をしたいところ。
『…はい…西村です…』
眠そうな声だったが、二言返事で許可が降りた。
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