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ネタバラシ
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例年より早く売り切れたため、14時には店を閉めることとなった。
その旨をSNSやブログで即伝える。
16時までは出店が義務付けられているので、ブースにいるにはいるのだが。
また折角来てくれた方に申し訳ないので、事前に用意していたポストカードを以降は配ることになった。
今日以外にもネット注文や他のイベント会場で出店するので、購入は可能。
それに明日もまた池袋のサンシャイン広場で出店する予定だ。
「それさっきの差し入れの?」
余った時間で女の子から貰ったケーキを食べる。
他にも、手作りのキーホルダーや手紙など色んな物を貰った。
「なんか、オレ…有名人みたい」
島くんは初めての事で驚いているらしい。
「バーカ、勘違いすんなよ」
ちゃんと身の丈を知れと部長が喝を入れる。
彼がいるおかげで、僕らは謙虚でいられるのだ。
アップルのノートパソコンで今日の売り上げの集計を取っていると、微妙に採算が合わない。
不思議に思って部長に相談してみた。
「西村先輩、この5万って何ですかね」
一冊500円の写真集。
今日注文していた冊数が150冊だった。
これだけで売り上げは7万5千。
なのに、加えて5万円が加算されていた。
部長はそれを見て、ああそれねと納得した顔。
「泉ー。裏取引のあれ残ってる?」
裏取引って、ネーミングからして怪しいのですが。
顔が変に引きつる。
嫌な予感がするからだ。
「そっちも完売ですね。データならありますけど」
そう言って、カメラに保存しているデータを確認させてくれた。
「ちょ、レン!何売りさばいてんの!」
カメラに映し出された写真を見て、僕は全身の血液が凍りつく感じがした。
島くんも、振り返って覗きに来る。
「あー。なるほど。編集で何でないのか不思議だったんですよ」
カメラに映し出されていたのは、屋上でのキスショットや、花見で起こったハプニング写真。
際どい情景が全てパソコンの編集データに残っていなかったのは、彼が故意的に抜き取っていたからだったのだ。
「今年はかなり好評だったみたいだね」
アキラ先輩も笑顔で言う。
値段はあえて聞かなかったが、まさか写真部にこんなことがあったなんて。
それに買い手も買い手だ。
一体どこでどうやってそんな購入ルートを知ったのやら。
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