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4月26日、日曜日。
発売2日目。
早朝のイベント会場へは、アキラ先輩と西村先輩が行くことになっている。
僕とレンは午後から応援に行くので、朝方ははゆったりとできた。
8時に目が覚めたのでリビングに行く。
部屋には、まだレンの眠っている微かな吐息があった。
今日は皆それぞれ用事があるようで、今家には僕とレンだけらしい。
久々の静けさ。
朝食を二人分作って、レンを起こしに行く。
眠たそうに目を細めながら僕の後ろをついてくるレン。
ダラダラと朝食を食べていると、突然僕の好きな電話が鳴った。
発信は西村部長。
嫌な予感がしつつも、電話を取り耳に当てる。
『人手が足りなくなった!至急来てくれ!』
取るなり、先輩は早急に救援を求めた。
電話から、会場の賑やかな雰囲気が漂ってくる。
レンを見ると、いかにも怪訝そうな顔をしていた。
彼は人混みが苦手。
考えてみれば騒がしい中で1日に何人とも顔を合わせることは、彼にとって重荷なのだろう。
朝食の食器を下げた後、のろのろと洗っているレン。
僕は昨晩のうちに干していた洗濯物をそそくさと取り込んで畳むと、レンの手伝いに回った。
早く行かないと。
「どんだけ綺麗に洗ってるの」
ピカピカと音が鳴るまでスポンジで擦っているレン。
普段は寡黙で大人な対応をするのに、休みの日は結構ルーズだったりする。
「…俺なりのストライキ」
彼だから…何故か可愛げがあって許してしまうのだけど。
でも、今日はそんな気持ちを鬼にして口調を強める。
「早くして」
僕がレンの足をトントンと蹴ると、彼は観念したのか食器を水で流し始めた。
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