アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ロク
-
「千夏ー!まだかー?」
「あら、千里くん。おはよう。千夏なら早くに出たわよ」
次の日、いつまでも家から出てこない千夏に
痺れを切らして呼びかける
ガチャッと玄関が開いたかと思ったら
出てきたのは沙織さんだった
「あ、すみません。じゃあ、俺も行きます」
「行ってらっしゃい」
ニコッと笑顔を浮かべる沙織さんに送り出され
俺も雨の降る通学路を歩く
くっそー、千夏のやつ。
先に行きやがった
いつも家の前で俺を待っててくれんのに
何でだ?
学校に着くと、クラスに千夏は居なかった
「??……アイツは?」
何だかモヤモヤとしたものが
胸の奥から膨らむ
ホームルームが始まってもアイツは来なかった
「あー、今日の欠席は斎藤か?珍しいな」
「先生!千夏、今日学校に行ったって、千夏の母ちゃんが言ってた」
「…そうか。とりあえず皆は授業の準備をしててくれ」
足早にホームルームを切り上げて教室を出
て行く先生に嫌な感じが更に広がる
「……俺も行く!!」
誰に言うでもなく教室を飛び出す
千夏、どこに居るんだ
学校を抜け、家までの道で手がかりがないかよく探す
草むらや空き家、駐車場など
冬なのに汗だくになりながら走り回る
傘もささずに飛び出したので
止めどなく降りかかる雨が視界を邪魔する
どこ…どこに行った
千夏!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 41