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誕生日編『第5話』
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(う……余計なこと言っちゃった……)
ケーキも作れなかったし、市川の実年齢も知らなかったし、その上「体育嫌い」とか言って彼を落ち込ませてしまった。これではせっかくの誕生日が台無しである。
「あの、先生……」
別に先生のことは嫌いじゃないですよ……と言おうとしたら、それより先に市川に詰め寄られた。
「あー、なんかムカついてきた。ケーキはもういいから、今日はお前を好きにさせてくれ」
「はっ? 好きにって……」
「んー……まあ、いつもやってることと変わらないけどさ。誕生日くらいサービスしてくれてもいいだろ? 一年に一回しかないんだし」
「それは……」
市川の好きにさせたら、絶対とんでもない目に遭わされる!
……と思ったのだが、「誕生日」と言われると断りづらかった。一年に一回の記念日だ、夏樹もお祝いしたいという気持ちはある。それで市川が満足してくれるなら、今日くらい好きにさせてやるのもやぶさかではなかった。
「……いいですけど、何するんですか?」
「それはノリとテンションで決めるよ。とりあえず、服脱いで待ってて」
と言って、市川は一旦リビングを出て別の部屋に行ってしまった。
(……なんか、すごく嫌な予感がするんだけど)
変態プレイには慣れているつもりだけど、あの男はいつも夏樹の一歩上を行っている。ごく普通のセックスが新鮮に感じるくらい、今までいろんな恥辱を味わわされてきた。
「はあ……」
今度はどんな目に遭わされるのかな……。
げっそりしながらのろのろとシャツのボタンを外していると、
「なんだ、まだ服脱いでなかったのか。もしかして俺に脱がせて欲しいの?」
市川が黒い大箱と一緒に、様々な道具を抱えて戻ってきた。
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