アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
独占欲(side.fuji)
-
前作「独占欲」のフジさん視点です。
*****
今日は実況仲間で打ち上げに来た。
メンバーは俺、キヨ、レトさん、うっしーの4人。
4人で集まることが決定した時から、俺はこの日を楽しみにしていた。
もちろん、仲良しの4人で集まれるのが楽しみってのもあるんだけど、理由は他にある。
キヨにヤキモチを妬かせたい。
今日の打ち上げで、俺はわざとレトさんにくっついたり甘えたりする。それを恋人のキヨに見せたら、キヨはヤキモチを焼いてくれるのかーー…
っていう何とも自己満足な計画を立ててるんだ。
キヨを試すようなことをするのに少し罪悪感もある。それでも、好きな人からの愛を測りたいっていう俺はめんどくさい奴だって分かってる。
今までにも何度かわざとキヨの目の前で友達にくっついたりしたことはあるんだけど、キヨは全然気にしていないようだった。
俺はキヨが他の子と楽しそうに話しているのを見ると、胸がきゅーって縮んだみたいに痛くなって泣いてしまいそうになる。
でも、 キヨはそうじゃないんだっておもったら、好きなのは俺だけなんじゃないのかって不安だった。
一年前、キヨと付き合うことになったとき、告白したのは俺からだった。
付き合ってから、キヨは俺に好きだって言ってくれるけど、キヨの本当の気持ちが分からなかった。
キヨはホモが嫌いだって昔から言ってたし。告白したときも、付き合えるだなんて思ってなかった。断られるのを覚悟で勇気を振り絞って、「好き」の一言を言ったんだ。
キヨはもしかして、俺に合わせてくれてるだけなんじゃないか…。
そう思ったら、キヨと2人でいる時もその事が気になっちゃって。
だから今日の飲み会で、ちょっとだけ本気出してキヨの気持ちを探ろうと思ってるんだ。
*****
フ「…ってことなんだけど、レトさんに協力して欲しいなーなんて…」
先ほどの計画をレトさんに告げる。やっぱり俺だけだと不安だし、俺にいきなり甘えられても、レトさんも困るだろうし。
レトさんをこんなことに付き合わすのもどうかと思うけど、俺はよくレトさんに相談に乗ってもらっているので、他の人より頼みやすいというのもあった。
レ「なるほどなぁ…えーよ、フジくん。俺らでキヨくんにヤキモチ焼かせたろーや」
フ「レトさんほんと!?…ありがとう」
レ「やるからには徹底的にやで。キヨ君に見せつけたらなアカンからなー」
そういってレトさんはノリノリで協力してくれることになった。頼もしい友人を持ってて良かったなぁ。
店に着き、早速俺は計画通りにレトさんの隣に座ろうとした。
…が、俺が座った途端にキヨが横にドサッと腰掛けてきたので、仕方なくレトさんは俺の正面に座ることになった。
まず、俺は酒に強くない。
この計画を実行する上で酒の力を借りるのは手だと思う。だって、素面で甘えるのは流石に恥ずかしい。
酒が回りだした頃合で、ねえねえレトさん、と積極的に話しかけていく。
キヨの方をチラッと見ると、うっしーと何やら楽しそうに盛り上がっている。
キヨがあんなに楽しそうに話してるの、久しぶりにみた。
自分の胸がチクッと痛むのを感じる。
ヤキモチを焼かせたくてレトさんにばっかり話しかけてるけど、キヨに構ってもらえないのがこんなに悲しいなんて。
うっしーのポジションを羨ましく思いながら、2人をぼーっと見ていると急にキヨがこちらを振り返った。
目線がバチッと合ってしまった。
俺は慌ててレトさんの方を向く。
…今のは、ちょっと感じ悪かったかも。
咄嗟に顔を逸らしたことを後悔した。
キヨに何か言われるかなっておもったけど何もなかった。キヨはまたうっしーと話している。
ほんとにキヨは俺のことなんてどーでもいいのかも。
レトさんの方を見ると、俺の隣にきて、と合図しているのが分かったので、うっしーには悪いが席を強制的に交換させてもらった。
レトさんさんが小声で、もっと大胆に甘えてきて、と言うので、酒も回っていた俺はキヨにさえもしないくらいにギュッとレトさんに抱きついた。
これでキヨが何も言ってこなかったら諦めよう…
と思っていると、急にキヨに腕を捕まれ引っ張られた。
キ「フジ。帰んぞ」
俺はうっしーとレトさんに何も挨拶出来ないままキヨに引っ張られて店から出てしまった。
どうやらキヨの家に向かっているらしい。話しかけても何も答えてくれず、ただただ歩き、気がつくと家に着いていた。
家に入り、キヨに話を聞こうとすると、ドサッっとベッドに放り投げられ目を開けるとキヨの顔が目の前にあった。
そこからはもう、思い出すのも恥ずかしいくらいに泣いた。
俺がわざとレトさんに甘えていたことをキヨに告げ、キヨからは嫉妬していたということを告げられた。
キヨがそんなに嫉妬してくれてるだなんて全然知らなかったから、試すようなことをして申し訳ないのとめちゃくちゃ嬉しいのとでまた泣いてしまい、俺の顔はぐちゃぐちゃだったと思う。
キヨの気持ちが知れ、また更にキヨが好きになった。これからはもうちょっとキヨ以外の人といるのは控えようと思う。
その日はキヨの腕の中で眠った。
すごく身体もココロも温かくて、キヨのそばに居るのはこんなにも安心するんだって改めて思った。
*****
翌日、二人実況を撮るためにヒラに会った。
ヒ「あれ?フジ首どうしたの?赤くなってるよ?」
いつの間にか跡を付けられていて、察したヒラに散々からかわれた。
それでも、キヨの気持ちを知った今では、そんなキヨすら愛しく思え、自然と顔がニヤけていたのをヒラに呆れた目で見られていたことを俺は知らなかった。
*****
終わりました。
書きたいネタがどんどん出てきて楽しいです^^
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 7