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幽霊
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刺繍は針で指を刺し禁止、植物を育てようとしたら枯れる。
雪だるまは出来たのに。自分に首を傾げる。服は自力で着れるし、細かいのが向かないのかもと自己完結。
兄と違ってする事と言えば読書。
「こ・こわぃぃ」
新しい本はホラー。
幽霊なら貞子が有名だが、帝国だと悪鬼。怨み苦しんだ死者が異形の姿となって人を襲う。読むのに夢中になっていた。
「リア」
「ふにゃぁぁ――」
ソファから転げ落ちそうになったのを抱き止められた。心臓がバクバクしている。
「お・お帰りなさい、兄様」
「ただいま」
落ちた本と自分を拾い上げられ、定位置の兄の膝におろされる。
「怖い話は苦手?」
本のタイトルで内容を理解した兄がきいてきた。
「幽霊を見たことがありますか?」
「素質がない」
素質だとっ!?
「見えない者は見えない。なにかの気配がしたら清浄すればいい」
アバウトすぎます。しかも幽霊はいると。
「リアは魚すら怖いから幽霊を見たら大変」
確証をつかれて涙目で兄にすがりついた。
「兄様、今日くっついていて、いいですか?」
笑顔で頷かれたけど、くっつくだけで済むはずは無かった。
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