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『弟ルーク』
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「あの国の王女か……」
長年、サレイユ帝国が同盟を結びたいと思っている大国。
貿易などで多少の友好を結べているが、向こうの方が戦に強く、いつ敵同士になるか分からない危うい関係性。
「もしそうなら敵国ではありませんが難しい相手です」
「ミーナ様が受け入れて下さるかも分かりませんわ」
「ルークお兄様は優しくて美形ですもの!絶対に好きになります!」
三姉妹がそれぞれ兄フォードに言う。
「確かにこちらから縁談を申し込んでも断られる可能性は高い」
政略結婚だとして向こうに利益がない。帝国にあるものは大国にもある。
珍しい帝国にしかない物や技術などがあれば取り引きもできただろうが。
「まずはルークの気持ちの確認をしてからだ」
そう言うと三姉妹は任せて下さいと口をそろえて言った。暫く会話をした後、妹たちと別れた。
仲がいい妹たちの後ろ姿を見ながら、自由な弟妹たちとは違う特別な想いを寄せてしまった弟リアの姿が過る。
「いつか」
リアにも安全な自由を与えたい。
いつかそれを叶えるためにも皇帝にならなければならない。
絶対的な権力、権利、権威で守れるように。
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