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第1話
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友達、とは、
何処までが友達なのだろうか。
友情、とは、
何処までが友情なのだろうか。
異性じゃなければ恋をしないなんて、一体誰が何時決めたのだろうか。
-第1話-
「のーぞーむっ!」
「おぉ、同じクラスか。」
「反応薄ッ!! 流石望だわ...。
いやぁ、早いね、もう2年生だ。」
「....そうだな。」
床次高校に入学して1年。
もう2年生、本当にその通りだ。
1年生の時は取り敢えず部活動の勧誘やら委員会(主に生徒会)の勧誘やらで色々面倒だった。
そんなことを考えて窓の外を見ると、
校庭には左胸に赤い造花を添えた新品の制服に身を包む新入生。
まるで1年前の自分を見ているようで
懐かしく思える。
「たっ、小鳥遊くん!」
窓の外から目を離して反対側に顔を向けると、目の前にプリントの束を持った女子の手が有った。
そのまま目線を少し上にして顔を確認すると、昨年同じクラスで学級委員をしていた女子生徒が頬を少し染めてこちらを見つめていた。
「...なに?」
「こ、れ、先生が、生徒会長に持って行って欲しいって..」
「先生が持って行けば良いのに。」
「今日始業式終わったら出張みたいで..、生徒会長も忙しいから、
生徒会の、小鳥遊くんにって..!」
「.....りょーかい。」
何をそんなに緊張していたのかは知らないが、俺がプリントの束を受け取った後、礼を言うと走って女子生徒、友達だろう。の、もとへ走って行っては、キャーキャーと騒いで笑顔を見せていた。
モテるねぇなどと茶化す幼馴染みを無視しては、また目線を窓の外に戻した。
嗚呼、生徒会室に行く用事が出来てしまった。
成る可く生徒会室には行きたくないのだ。自分がどうしてもやらなければならない仕事がある時にしか顔を出さない、と、入る前念入りにそう確認して許可を貰って入ったのだ。
そうでなければ、こんな面倒な委員会などに所属する俺ではない。
幾ら生徒会長の頼みであろうと、俺は断り続けていたのだ。
了承してしまったのは、
あのいつも爽やかな笑顔の尊敬され憧れられる生徒会長が、泣きそうな程の
真剣な顔を俺に向けて頭を下げて
頼んで来たからである。
尊敬や憧れなどは無くとも、
そんな生徒会長は見たくないし、
何より初めて見た。
了承したのは入学してから半年以上経った11月の下旬頃だ。
それまで1度も見たことのなかった
生徒会長を見て、折れてしまった。
その代わり、ということでの俺の願いが、先程の仕事がある時しか顔を出さないと言うものだった。
「あ、のぞむー!始業式もうすぐだから廊下並ぶってよー!」
「あぁ..」
教室の入口、俺の窓際の席から少し離れた所から扇の声がしてゆっくりと腰を上げる。
壇上にあの人は立つだろうな。
生徒会長だもんな。
正直、特別視されてるみたいであんまり関わりたくないのだが...。
集会の時は毎回全校生徒の中から俺を見つけ出しては微笑みかけてきて、
俺の周りの女子が今のはわたしに向けての笑顔だなんだとキャーキャー騒ぎ出して面倒臭い。
しかし、翌々考えると学年もクラスも変わった今、暫く集会で俺を見つけ出すことは出来ないのではないか、
そう思った俺は、少し嬉しくなって早足で廊下に出たのだった。
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