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7. 呼び出し
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…6限目の数学の時間。
ほとんどの生徒が欠伸をかみ殺しながら黒板の文字をノートに写している。僕も例外ではない
そんな授業も残り10分ほどとなった頃、渋い顔をした校長先生が教室へ入ってきた
教室内を見渡し、僕と目が合うと側まで歩いてくる。そして、声を潜めて話し始めた
急な訪問に、周りの生徒たちに何事かと視線を向けられる
「東雲君、ご両親から急いで帰ってくるように、と連絡があった。もう授業はいいから、すぐ帰ってあげなさい」
「はぁ…?分かり、ました」
眉間に皺をよせた校長はそれを伝えると足早に出て行ってしまい、仕方なく言われた通り帰る為、荷物を片付けだした
わざわざ校長先生が直接伝えに来た事に違和感を感じながらも、校門へと歩き出す
普段、周りからの評判を気にしてよほどのことがない限り早退をさせたがらないあの人達が、こんな急に早退させるなんて。
何か、あるのかなぁ…
「はぁ…」
また、勝手にお見合いでも用意したのだろうか
今時この年でお見合い結婚する人なんてひと握りの人しかいないだろうに
もう視界の端に自宅の屋根が映っていて、後少しで家に着いてしまう事が嫌でもわかる
あの人達の待つ家に着いて欲しくなくて歩くスピードを遅めた。
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