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8. 手紙
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結局、5分もたたない内に家に着いてしまう
が、呼び出した本人達の姿が見えない
どこかに出掛けたのだろうか…?
呼び出しておいてどういう事だと思いながら、リビングにつながるドアを開く
「え…」
__家具がない
そこにあったはずのソファも、いつも食事をしていたテーブルも無駄に大きなテレビも。
急いで1階にある部屋を見てまわったが、どの部屋にも家具が見当たらない
唯一…部屋の一つに古びた木製の机だけが残されていたものの、それ以外は何一つ無かった
全く予想のしていなかった事に唖然としてしまい、なかなか状況が理解できない
虚ろな思考のまま周りを見渡すと手紙が一枚、机の上に置かれているのに気づく
恐る恐る手に取り、手紙を開いて書かれている文字を読んだ
『会社が倒産した。
借金もできたが、返せる見込みはない
だから、お前の臓器を売る事で手を打ってもらった。そのための業者が6時頃に来る
今まで我慢して育ててやったんだ、最後くらい親孝行してくれ』
手紙に書かれていたのは父の字だった
最初から最後まで、ただ要求が…事実だけが書かれていて、何か謝罪がある訳でもない
気がつくと、手紙を握り締めていた
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