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10. タイムリミット
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裏口へ着くとともに、急いで鍵穴へ鍵をさす
が、途中で何かにあたって最後まで鍵がささらない
鍵穴に細工したのか…!
「くそっ!」
__いくつかある他の出口も見たが、全てダメだった
最初のドアと同じように細工してあるものもあれば、ドアノブ自体が取られているものもあった
となると、もう玄関しか残っていない
しかも玄関以外の出口を探すためにかなり時間を消費してしまった
鉢合わせしたら最悪だが、それ以外に道はないのだからどうしようも無い
もうとっくに6時は過ぎてしまっている。とっくに業者来ていてもおかしくない
もう駄目かもしれないという諦めの念が頭にちらつく。それを端においやってとにかく走った
_玄関に向かっている途中窓から車が見えた
黒い、見たことのない車が。
「最悪だ…」
もう時間が残されていないのが嫌でも分かる。
だけど、焦るばかりで頭は働かない
玄関に着く。壁に背をつけ窓からあいつらに自分の姿が見えないよう気をつけながら、バグバクしている心臓を落ち着かせるため深呼吸をする。
…どうせ死ぬのなら、最後まで足掻いてやる!
自分だけが死んで、両親は得して終わるなんて納得できない
結局結末が変わらないんだったら、相手にも傷をおわせてやる
じゃないと死んでも成仏できないだろうから
_無意識に、歯を食いしばってしまっていた。チリッとした痛みにハッとする
意識して口元を緩め、もう1度大きく深呼吸をした
そっと、窓から黒い車の様子を覗き見る
運転席と助手席の扉が開いたのが見え、あいつらが来るという焦りと今を逃したら後は捕まるのを待つだけになるという思考が頭を巡る。
ドアを開けたその瞬間、何も考える事をせず走った。
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