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11. あと少し
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玄関を通り黒い車の横を走り抜ける
家の周りは小さな森に囲まれているようなものだから、ただっ広い玄関前の通りを抜けて森に入ってしまえばなんとか逃げれるかもしれない
だがそれは、同時に木々に囲まれているせいで一般の人に気づいてもらえる可能性はほぼないことも示していて
もう、車の方を見る余裕なんてない。
あいつらはどうしただろうか?
きっと、すぐに追いかけてくる
…後ろから足音が聞こえない。以外にもあっさりと通れてしまい、ふと安心が頭をよぎる
逃げれるかもしれない…!
ハッとして心の中で自分に叱咤した。油断してはいけないとは考えながらとにかく走る、後ろから追いかけてきているだろう奴らに捕まってはいけない
走って、走って
肺が痛くなるのも、無視して
ひたすら脚を回転させる
地面を蹴るつま先がズッと地面をする音が頭に響く。太ももを高くあげ、大股で走った
止まってはいけない
今止まれば、待っているのは絶望だけ
あと、あと少しで森だ…!
森の中に入れば、きっとまくことができる
それに、その森をでればすぐ門だ。人がいる。
少しでも人目があれば僕を殺すことは出来ないだろう、出てしまえばなんとかなる
今までの人生で、こんなにも全力で走ったのは初めてかもしれない
肺どころか全身が痛い。
関節もキシキシいってるし、
足を運ぶのもだるい
息だってとっくにあがっていて、喉は乾きのせいで張り付いてしまっている
それでも走った
でも、
突然、足が動かなくなって
前のめりになって、地面に倒れた
「え…」
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