アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
26. 蒼矢
-
それが遥にあたる直前、横から飛び出してきた人の手によって止められる
「っ…」
遮られたことに対するイラつきを隠そうともせず、父は表情を更に歪めた
「あ…そ、うや…」
「…あなた方がそんなんだから、見捨てられるんですよ。ねぇ?」
蒼矢という少年は、手を軽々と受け止めたまま2人に自業自得だと毒を吐き、そうだろう?と背後にいる遥にさり気なく同意を求めた
「う、うん…!」
その青年がきたことにより、遥の表情が強張ったものから安堵したものへと変わったのが見てとれる
1度両親をちらりと見て肯定するのを躊躇いながらも、青年を見ながら薄く微笑み、頷く。
「だっ、誰だお前は!」
「…古都垣(コトガキ)、とだけ。」
「あっ」
青年が質問に答えるのを聞き、しまったという顔をする遥
蒼矢の耳元に口を寄せ、小声で名前言っちゃダメだって!と伝えるも、もう言ってしまった後である
遥の父がニヤリと気持ち悪く笑みを浮かべた
「そんな苗字、聞いたことないなぁ…どうせ凡人だろ?困るんだよ、上の人間の話に入ってこないでもらおうか。…あぁ、今からでもいい、立ち去ってくれるなら何もしないであげるさ」
そんな珍しい苗字、調べればすぐに分かるんだぞ?と脅しをかけるように嫌な笑みを蒼矢に向ける
こちらが何も言わないのをいいことに、馬鹿にしたようにペラペラと口を開いた
(きったねぇ…唾飛んでんだよ…)
そんな蒼矢の心情を知りもしない父は、あともう一押しで終わりだと内心高笑いをしていた
そして一旦言葉をきると、自信満々にこう続けた
「でも、去らないって言うんなら…どうなるか分かるだろう?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 87