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29. レヴィ
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父はどんな人なのか
最近、時間が出来ると想像しまう自分がいる。きっと、父も母と同じく暖かい人なのだろうけど
前世周囲の人が口々に似ている、と言っていたあの顔
今思えば両親に擦り寄るための些細な話のひとつだったのだろうが、そう繰り返し言われるようになって、鏡を見てしまっては吐き気がして、その度に憂鬱になった
…それもあってか、こんなに美しく、あたたかい母に似ていると思うと嬉しくてたまらない
あの人たちは、外見で塗り固めているだけでいつも節々には傲慢さが見て取れて、それが嫌だった
前世のことを思い出して、うぅ…と気分が沈み一人暗くなっていると、バンッ、という音とともに勢いよくドアが開かれる
「母上!」
誰だろうか‥?
心なしか目を輝かせ、口端を上げた見知らぬ少年がこちらへ駆け寄ってきて、母に詰め寄った
「まぁ、レヴィ…学園はどうしたの?」
母は知っている子のようだけど…少年とは似ているようには見えず、親子という感じではない
…どちらにしろ、顔面偏差値は高い。
「今日から冬休みで…それより、生まれたって聞いて急いで帰ってきたんです!それで、その子は?」
「ふふっ、あそこに寝ているわ。男の子よ」
男の子。
母がそう答えると、少年…レヴィの表情が目に見えてキラキラと輝きだし、わぁ…!と満面の笑みをうかべる
「ほんとに!?やったぁ!!」
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