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45. やけくそ
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「えぇ…まだ、1歳にもならないわね」
「だったらっ、しゃ、喋るわけ…」
この世界での喋る年齢だとか、そういうのが一切分からないから…やばさがいまいち分からない
けど、レヴィの取り乱し方からして普通じゃありえないことだってのは分かる
まぁ前の世界でも絶対ありえないんだけど…
「でも、3歲くらいで喋るんだし…たった2年くらいの差じゃない」
ふわふわとした少女のような表情で微笑みながら喋る母
2年と言っても…10歳と8歳の2年とかと、3歳と1歳の2年では少し違ってくるだろう
あどけない母を見ていると、何故あんな父と結婚したのか余計分からなってくる…
「たった2年って…2年もですよっ!それに3歳だってあんな流暢に喋ったりしませんよ?」
流石に落ち着いてきたのか、意識して深呼吸をしているようで少しだけゆったりとした喋り方へ戻る
「まぁ…細かいことは気にしないのよ」
それが生きていくコツなのよ?
そう言って笑う母にレヴィは呆れたような諦めたような表情をするも、母には全く気にする様子は見られない
「はぁ…ノア、もう一回、喋ってごらん?」
落ち着いた柔らかい声で言われる
もう手遅れかもしれないが、一応何を言っているのか分からない振りをしようと、冷や汗をかきながらも赤ちゃんらしくした
「あ〜?」
今の僕の顔は、赤ちゃんらしい可愛い顔になっているはず…だと願いたい
「もう1回、もう1回だけ、ね、喋ってみて?」
少しだけ、あれ?という顔をした後に、またさっきと同じように促される
「あぅ〜」
こうなったらやけくそだと、質問をとことん無視
さっきみたいに流暢に堂々と喋るなんて馬鹿な真似はしない
「あれ…どうしたんだろ、普通に戻ってる…?」
一向に喋ろうとしないノアに戻ったのかも、とレヴィが言い出す
「え〜、でもさっき喋ってたわよね…?」
ふたりがあんなはっきりした聞き間違いってある?と話しているうちに、精霊達にどうにかできないかと半端やけくそで質問を投げかけた
「ね、ねぇ、記憶って消せたりしない…?」
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