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優越感
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「はぁ?そんな嘘が通るとでも思ってるのかしら」
顔を思いっきり歪めながら、汚らわしいものでも見た、と言いたげな目でこちらを見下ろしてくる
何故か一方的に火花を散らしてくるルイーズに、父やレヴィは険しい顔をし、使用人達はオロオロと困惑した表情をしている
「いえ…嘘などついておりません」
流石にちょっとイラッときたのでわざと笑顔で対応する
余裕ぶった表情をしてはいるが、背中は冷や汗でじっとりしていて気持ちが悪い
「いいえ、嘘よ。だって私あなたが魔法の練習をしている所など見たことありませんもの!」
向こうも表面上は笑顔の僕にイラついたのか、ムッとした表情をするとまた突っかかってきた
思っていたよりも、ルイーズは感情が顔に出るようでさっきからコロコロと表情を変化させている
いやそりゃあ見たことないだろ…だって嫌がらせしてくるし、、ルイーズの事徹底的に避けてたから…
実際、お互いに屋敷内で見かけた事さえほとんどないはずだ。
僕の方でアヴィ達に教えてもらったり、魔法でルイーズのいる所を把握したりしてはとことん会わないようにしてたのだから
それにしても、こんな小さい子供相手にそこまでするなんて今更ながらにヤバい奴じゃないか
「おい…、いい加減にしろ」
2人で、しばらく睨み合っていれば父からの制止が入り、ルイーズの方を見ながら、煩わしげに言葉を発する
僕を庇ってくれているのだろうか?
あの父が?…何か、嬉しい
だが、それと同時に、思わず笑ってしまいそうになった。
だって、ルイーズの名を呼ぼうとしたのだろうが、出てこなかったのだから
娘とはいえ、興味が無いものには全く関心がない父が名前を覚えているわけが無い
僕だって覚えて貰うのにどれだけかかったか…
最初のお前呼びから、ノアになるまでの間、始終ひっつき虫の如く付きまとい…
まぁ、それはいいとして。
ルイーズは覚えられていないのに、僕は覚えてもらっている
その状況に優越感が湧いてきて、少しだけイラつきのようなものが薄れた
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