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飴玉
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『話を戻すけれど、このままにいくとノアの寿命はあと2年ちょっと……。それはなぜ?』
物語を紡ぐように、言葉を続けるレウス
ノアは傍から見れば明るく、健康的な普通の少年
寿命なんて目に見えるものではないし、先程から話を聞かされているレヴィ達がすぐに信じられないのも無理はない
「なぜ……?」
分からない。
魔力がなくても死ぬわけではないし、特別体が弱いという訳でもないのに
『ゼロでもアり、無限でもアるって言った…』
『うんうん、そうだねアロト』
充分だろう、と言いたげな視線が2人に刺さる
なぜ察することが出来ない、と不満げなアロトの言葉に、レウスは満面の笑みで賛同する
そのころころと変わる表情からは、先程の冷ややかな目は想像出来なかった
表情はハッキリとしているのに、感情が読み取れない
今まで遭遇したことのない、いや遭遇するなんて考えもしない状況に、時間が経てど戸惑いが隠せずにいる
『まぁ、そういう事だよ』
何がどういう事なのか、理解が追いつかない
「すまないが、分かるように説明してくれ」
言葉が通じない訳では無いが、会話が進まないこの感じに、思わず目を覆った
『しょうがないなー』
何というか、言葉は分かるのに、こちらの常識を考えようとしていないと感じるような
まるで
[ 人 間 の 常 識 など 、取 る に 足 ら な い も の だ ]
と言われているような感覚になる
だが、人間とは凄いもので、だんだんと慣れていき、恐怖が薄れていくのが分かる
ノアの突然の余命宣告、魔力値の計り知れない化け物の襲来。まとめてしまえばたった2つの出来事だが、それは、あまりにも不慮な事だった
『まぁ、簡単に言えば、ノアは僕らにとって世界に一つしかない飴玉なんだ』
「は…?」
飴玉…?
あまりにも繋がらない情報に、頭を抱えたくなる
しかも何故それが、ノアの魔力量や寿命に関わる?
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