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慰め愛 東條×赤松
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「あっ東條さーんそこのチューハイとってー」
呂律が回っていない舌を強引に動かした赤松の指し示す方向には俺の飲みかけのチューハイがあった。まさか俺が飲んでいることにも気付けていないとはひどい泥酔状態だ。今日はそんなに辛かったのか。
舌打ちをして口に含んでから差し出してやる。手を伸ばしてきた赤松の細い指先が届こうとした瞬間、数センチ手元に引き戻した。。
「意地悪しないでよー」
上半身をと腕を精一杯伸ばして俺の手からチューハイを奪い取ろうとした。
身を乗り出した赤松の髪の毛を鷲掴む。強引に距離を縮め、無理やり唇を重ねる。酒臭い。鼻の奥を刺激するアルコールに全身が燃えるように熱くなった。
色眼鏡越しに驚きをあらわにする赤松を無視して口移しで酒を流し込んでやった。
もちろんそれだけじゃ済まさない。一通り口内を堪能し終わったら、俺は赤松の傍に移動した。回り込む暇さえ惜しかったのでテーブルの上を乗り越えて床に押し付ける。
テーブルの上に置かれていた酒やつまみやらが床に落ちたが気にしていられなかった。
指先を絡め取るように繋いでやると、赤松は不敵な笑みを浮かべている。
立ち直りが早い奴だ。さっきまで吃驚して声すら出なかったくせに。塞いだ唇の端から漏れる微かな吐息の甘さを思い出して更に思考回路が沸騰した。
俺は無関心と無関係を貫けばいい。
なのに放っておけないのは何故だろうか。
よく人がよすぎると言われるが、これは度が過ぎている。
これじゃまるで俺が赤松のことを心配しているみたいじゃねえか。全くもって笑えなかった。
「今夜は俺が慰めてやる。大人しくヤられてろ」
「へえ。珍しいじゃない。どうしたの酔ってる?」
挑戦的に俺をにらみ返す赤松の色気といったら。
ガキだガキだと想っていたが、こういうところだけは立派に成長したらしい。
予想を大幅に超えた艶めかしさに彩られている展開に、俺は自嘲気味に苦く笑う。
「そうかもしれねえな」
こいつの余裕な態度がいつ崩れるか楽しみだ。
初めて自ら望んでした口付けは、とてもほろ苦くまた、どうしようもないほど罪の意識の味がした。
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