アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
うまく言葉にできない東條×千晴
-
やばい何とかしないと。
顔をあげて冗談ですって誤魔化すために、開いた唇に熱が重なる。
唐突な温もりに目を見開く。全身の力が抜けて後ろへひっくり返りそうになった俺を、東條さんは片手で平気そうに抱え込んだ。
え、なに、俺。まさかキスされてるの?理解するのに遅れるほど俺は鈍かった。
状況が飲み込めないままいると、徐々に深くなっていく口付けに身体の芯が熱を持ち始める。
熱い。口内をかき回す舌も、強い力で抱きしめてくる東條さんのぬくもりも。快楽にも似た心地よさに翻弄される、
拒むことなんて元から選択肢にない。
俺に出来るのは東條さんの舌を噛まないように身を委ねるだけだ。舌を絡みとられた時、びくんと跳ねた身体は素直だった。
酸欠になりかけていると、満足した東條さんが唇を離した。ちょっと残念で無意識に追いかけようとした自分に赤くなる。
「俺もだ」
かすれて色っぽい声音で囁きかけられる。ぞくりと強烈な痺れが駆け巡った。じっとしていられなくて腕の中でもがくときつく抱きしめられた。
「千晴」
愛おしいその声で名前を呼ばないでほしい。
どうしようもなく浅ましい欲求が表に出てしまうから。
触れていたい。もっともっと触れていたい。その手で触れられたい。
これ以上を求めてしまう我侭な気持ちに、気づいてほしくないから。
そんな否定的な考えとは裏腹に、俺は東條さんの首に腕を回す。心も身体も、一つになりたかった。
「俺も、お前が好きだ」
だから。
続く言葉を誤魔化すように、再び重ねられた唇を俺は目を瞑って受け入れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
44 / 60