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目的のホテルに着き、燕羽はロビーに待たせた
そしてフロントへ行き、予約の名前を告げた
「いらっしゃいませ、男性2名様でツインをご予約ですね?」
「そうです、弟の誕生日祝いに海に来たのですがどうせなら温泉にも入りたいと弟に頼み込まれて・・・・・部屋が空いていてラッキーでした」
「そうでしたか、ではこちらへ記帳を」
「はい」
適当な住所と名前を書いて笑顔で渡した
「こちらがキーになります」
「ありがとう」
「お食事は最上階のレストランになりますが何時になさいますか?」
時計を見て笑顔で答えた
今は6時か・・・・・・
「じゃ、7時にお願いします」
「かしこまりました」
今から死にますと言う顔をしていれば怪しまれるけど、全く疑われずに済んだ
「ではお部屋にご案内いたします」
「はい」
燕羽を呼んで無言で歩き、部屋に案内されて漸く緊張から解放された
「綺麗な部屋だね」
「海も見える」
「うん」
「疲れた?」
「大丈夫」
テレビはあるけどつけなかった
きっとお互い外の世界で起こっている事を知るのが怖かったから
食事の時間になるまで二人で海を見つめていた
「楽しかったね」
「そうだな」
パンフレットを見ながらパソコンの貸し出しが出来る事を知り、早速持って来てもらった
「パソコン?」
「だな」
「何をするの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ごめん」
「・・・・・・死に方をね」
「そか」
何も用意しないままでは死ねない
死に方も考えなければ
「俺、首吊りとかは嫌かな・・・・」
「一番楽らしいけど」
「だって・・・・・隣で死にたいから」
「そっか・・・・・じゃ首吊りは却下・・・・薬も怪しいよな」
「うん」
「でも、念の為に知り合いに連絡して手に入れるから」
「わかった」
薬では簡単に死ねるとは思えない
致死量までの数が半端じゃないし何百錠も飲めるわけが無い
でも、眠剤は必要だな
今時の眠剤は効き目がイマイチだけど無いよりはましだ
死ぬ為の保険みたいな物だしね
「自殺っていろいろあるんだね」
「だな」
「飛び降りも嫌かも」
「わかった」
「入水も・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「違うんだ、死にたくないとかじゃなくてね・・・・・傍にいて死にたいから・・・・海に入ったら離ればなれになりそうで」
「そっか」
「あっ、これは?」
「凍死か・・・・・」
「寒いのは苦手だけど寝てしまえば死ねるんでしょ?」
「そんなに簡単に行くかな?」
「でも、手を繋いだまま星を見つめて一緒に死ねる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・調べてみるか」
「うん」
そのまま自殺方法を念入りに調べ、人の来ない場所を調べて地図も書いた
今の時期なら雪山に行けば死ねるかも知れないけどたどり着くまでに見つかったらおしまいだ
「さすがだね・・・すごいね」
「ん?」
「翔の指が速くて追いつけない」
「そっか」
「ちなみにどんな事が出来るの?」
「何でも」
「ん?」
「お前、嫌いな奴とかいる?」
「ん~~~、いるにはいるけど」
「うん」
「先輩で、入学した時からずっと付きまとわれていて、いきなり教室で脱げって言われて・・・・・その時は先生が来たから助かったけど・・・・ずっと目を付けられていて」
「へぇ・・・・」
「だから学校にいる時は常に一人では行動しなかったんだ・・・今は大学に行きながら父親の会社でバイトしていると言っていたけど」
「携帯のアドレスは?」
「・・・・・・・・・・・・知ってる」
「教えてみろ」
「うん・・・・・これ」
燕羽はスマホに登録されていたそいつのアドレスを見せた
ホントは消したかったけど、ばれるのが怖くて消せなかったらしい
「お前のアドを変えてもいい?」
「うん、もう必要ないものだし」
「わかった」
スマホを操作して、そいつに送信した
「何をしたの?」
「情報を盗んだ」
「えっ・・・」
「女の子の名前で送ったからすぐメールを見たらしいな」
「うわーーーー、どうなるの?」
「こうなる」
そう言って、スマホの画面を見せた
「えっ?何これ?エロ動画とかメールとか・・・・俺のじゃない内容だけどもしかして・・・」
「あいつのスマホの情報が全てここにダダ漏れ」
「すごいね・・・・褒めていいのかわかないけど」
「嫌な事をされたのなら仕返しは必要だろ?それに俺もムカついたし」
「あはは・・・・ありがとう」
「じゃ、すこーし脅して・・・・と」
さっきの写メを貼り付けて送信した
「焦ってるな・・・・・じゃこれで終わりだ」
「うわ・・・・何?めちゃ暗号みたいな物を物凄い速さで打ち込んでるけど」
確かに暗号だけどね
「送信!」
「どうなるの?」
「開いたと同時にスマホは壊れる」
「えっ・・・」
「んじゃ、そろそろ食事に行くか」
「うん」
もうすぐ死ぬって言うのに人間て笑えるんだな
でも、やはりココロのどこかにはまだ少しだけ恐怖があった
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