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Act 1,十年後の失態 ①
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あれから十年。
結局、あれから彼とは一度も話していない。お互いに距離をとってしまい、顔もろくに合わせなかった。そして、彼はそのまま卒業してしまった。
時々、あの日のことを夢で見る。
忘れようとしているのに。結婚して、子供も産まれて――なのに、心にはぽっかりと穴が空いたまま。
調子出ないな――
勤め先である高校への道のりが長く感じる。
いつも自転車で通っているから朝はすっきりするのだが、今日はどこか身体が重い。夢を見た日は毎回だ。
重い身体をなんとか動かして、高校にようやくたどり着いた。
浅海は職員室に入るととりあえずコーヒーを飲んだ。
授業も手につかない。やる気が起きないのだ。
生徒たちに詫びをいれ、仕方なく自習にする。まあ、生徒たちは大喜びだったのだが。
申し訳ないな――と思いながら、様子を見て回る。
すると、教室の窓側、一番端の最後部の席の生徒が寝ていることに気がついた。
浅海はこのクラスの担任なので、その生徒のことはよく知っていた。男子生徒である。
彼は毎度毎度寝ていた。それは浅海の授業だけであった。
「おい、瀬世。起きろ」
浅海は瀬世の肩をぽんと叩くと、彼は眠そうに顔を上げた。
その様子に思わずため息をつく。
「自習中だぞ、寝るな」
「……なんで?」
予想外の返答に少し怯む。
「自習とはいえ授業だ。他と差がついても知らないぞ」
「……別に、どうってことない。差がつくんじゃなくて、向こうがオレに追い付いてくるだけ。少しだけ、ね」
コイツ――思わずたじろいでしまう。
――瀬世睦月。容姿端麗、頭脳明晰。教師からの評判も良い。しかし、浅海の授業だけは居眠りの常習犯。
何をやらせても完璧で、女子生徒にモテるが彼女は作らない。
基本物静かだが、一度口を開くと嫌味の連発。そのせいで友達は出来ずいつも一人。
要するに一言で言えば――ただの『毒舌王子』だ。
「なぁ、瀬世。もっと真面目に受けてくれ。他の授業は熱心だと聞くぞ」
「それは……別に。オレがそうしたいだけ」
瀬世は頬杖をついてこちらを見つめる。
「そうしたいだけってなぁ――」
浅海が注意しようと身を乗り出すと、唇に人指し指を当てられる。
「……しー。授業中は静かに」
瀬世の手を払いのけ、注意しようと口を開く。すると、今度は指を二本――人指し指と中指だ――唇の隙間を縫って口の中に侵入してきた。
「んんっ!?」
な、なんだいきなり!? ――
「……しーっ、だよ、先生。言ったじゃない、静かにって。わかった?」
浅海はコクコクと首を縦に振った。それを見て、瀬世はニヤリと笑った。
――次の瞬間、瀬世の二本の指が口内を動き回り始めたのだ。
「んっ、ふぅっ……!」
歯列を指の腹でなぞり、歯の裏を通り"天井"を撫でる。
「はっ……ふっ、はぁ……!」
「声、我慢してね。……バレたら大変だ」
指は止まることなく、口内で遊び続ける。
何、これ……。変だ、興奮する――
「瀬世ッ……指、だ、せっ……」
情けない声で懇願する。浅海の瞳は濡れていて、頬は上気していた。それはどこか色気を漂わせていた。
「……エロい顔」と言って瀬世は"天井"を集中的に撫でると、浅海の口から指を出した。
"天井"を集中的に撫でられたせいで、浅海は意識が朦朧とするまで快感で追い詰められた。
「……どう? 気持ち良かった? 欲しいならもっとあげるよ?」と耳元で囁かれる。
「……いらないっ」
「わかってた」
瀬世はニヤリと笑うと、浅海の唾液の付いた二本指を口に含んでいやらしく舐めとった。
カアッっと全身が熱くなる。
まずい、まずい、まずい――
浅海はバッと立ち上がると大声で「先生トイレに行ってくるー!」と告げ、教室を慌てて飛び出した。
後ろでどっと笑いが起こる。
くそ、笑い事じゃないんだ! ――
浅海の陰茎はズボンの上からでもわかるくらいに勃起していた。
歩幅を広くとってトイレへ急ぐ。
『――欲しいなら、もっとあげるよ?』
「くそっ」
くそ、くそ、くそ――
浅海は口元を拭いながらトイレへ急いだ。
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