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新学期(7)
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「天才、か。」
理人の頭を撫でながら、聖夜がつぶやくと潤は苦笑いして、香がファイルを片付けながら言った。
「聖夜には及ばんがな。」
「そうですね。天下の東雲家の血を引く鬼才と名高い聖夜さんより、強いやつなんて居ないでしょ。」
「ふふっありがとう、流生。理人が知ったら、喜ぶだろうね。」
「ええ。理人様は、賑やかなのがお好きですから。」
「アリスは、ティーセットが全部使えるから、嬉しそうだねー。」
鉄平がニヤニヤしながら、アリスを見るとアリスは少し顔を赤くして「はい。わたくしも、嬉しいです。」と満面の笑みを浮かべた。
「さて、編入生はウチに守人候補としてやってくる訳だが……。」
潤は長い足を組み替えて、渋い顔をした。
「問題は、誰に付けるかということだろう。」
「んだな。(そうだな。)」
「……ウチは、香奏華楽師が揃っているから、どこに付けてもいい気もするけど……僕のところは香がいるし…怜が居れば充分かなー。」
「そうだな……鉄は節香も護身も出来るからな。」
「……理人に任せるしか、ねぇーよなー。」
潤の言葉によって、ソファに横たわる理人に皆の視線が集まる。
「リトは、辛くないのかな。」
鉄平がつぶやくと、聖夜が理人の頭を撫でる手を止めた。
「辛くない訳ないよ。……表に出さないだけで、本当は……。」
「聖、俺は平気だ。そんな顔、するな。」
理人がいつの間に起きていたのか、聖夜を見上げていた。
「ごめん。」
「少し寝たから楽になった。そろそろ時間だろう。」
起き上がり、ソファに座り直した理人が掛け時計を見ながら言うと、アリスがさっと立ち上がった。
「まぁ!大変!」
慌てて、ティーセットを片付ける。潤は肩を竦めると、理人を見て指示を仰いだ。
「はぁ、仕方ないな。潤、流生、神器の準備して。香、守札書いて。アリス、衣装の準備。雪、鉄、花房で合わせるぞ。聖……怜はどうしたんだ。」
「あとで説明するよ。俺は一旦寮に戻るね。」
「わかった。」
理人の指示でSクラスの新学期が始まった。
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