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【番外編】Valentine特別企画
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「ん……。」
差しだされた紙袋を受け取り中を除くと、小麦粉や卵、砂糖にバター、チョコレートが入っていた。
「えっと……理人?どうしたの?」
「……。」
困惑する聖夜に理人は、無言で薄い桃色の封筒を渡した。
「じゃあ。」
それだけ言うと、聖夜を1人部屋に残し理人はどこかへいってしまった。
紙袋を抱え閉まった扉をポカンと見つめていた聖夜は、はっと我に返り封筒の中身を確認した。
中には雑誌の切り抜きだと思われる紙切れが入っていた。
【バレンタイン特集!大好きなあの人はもちろん、友達ウケも狙えちゃう!手作り王道バレンタインスイーツ♡】
「なんだこれ?」
いかにもな小見出しで始まっている切れ端は、フォンダンショコラのレシピが載っている。
それを見て、クスッと笑うとなるほどねと呟いてキッチンへ向かった。
こんなつまらないレシピじゃ、理人に渡せないなと思った聖夜は、一瞬考えてからスイーツのレシピ本を取り出しパラパラと捲り始める。
ところどころに赤いペンでメモ書きがされている分厚いその本は、聖夜が愛用しているものの1つで、かなり年季が入っている。
それにしても、理人はなぜこんなことをしたのだろうか?
いつものように、フォンダンショコラが食べたいと一言言ってくれれば良かったのに。
回りくどいやり方に珍しいなと思いつつ、聖夜は取り敢えず気にしない事にして、調理に取り掛かった。
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