アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【番外編】Valentine特別企画 (3)
-
「どうしたの?」
「ただいま。」
「うん。おかえり。」
俯いたまま、一向に顔を上げない理人に優しく微笑むも、彼はなかなか顔を上げない。
「理人?」
「……ん。」
スっと聖夜の胸の前に差しだされた紙袋を、条件反射で受け取ると、理人はくるっと背を向けて寝室に逃げようとする。
そこを逃がさないように、聖夜は空いている手で、理人の腕を掴んだ。
「なに、これ?」
聖夜に背を向けて腕を掴まれたままの理人は、ギギギギっと音が鳴りそうなほどぎこちなく振り向くと、ポロポロと涙を流していた。
「え?り、理人?ちょ、なに、どうしたの?」
紙袋を、フォンダンショコラの乗ったローテーブルに置くと、掴んだままの腕を引っ張って理人を抱きしめる。
そしてそのままソファに誘導し、聖夜は向かい合わせになるよう自身の膝に理人を座らせた。
「理人、今日なんか変だよ?」
「う……お前が悪い。」
「……なんで?」
「今日は、きょ、うは……。」
「バレンタイン?」
「!?」
「忘れてないよ?」
「じゃあ、なんで!」
「ああ、だからこんな回りくどいやり方したのね。」
理人の頭を撫でながら、聖夜は一昨日のことを思い出した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
31 / 61