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次の週、竜さんに会って岡田次長と付き合うことになったことを報告した。
男同士だし偏見も怖くないわけじゃない。それになにより周りに広まったら自分も岡田次長も仕事がやりづらくなるかもしれない。だけど竜さんなら分かってくれる。大丈夫だと思ったんだ。
「おめでとう!二人がうまくいくといいなって思ってたんだ。岡田次長って何考えてるか分からないってよく言われてるらしいけど、要にはすごく優しそう。
よかったな。」
「それ、岡田次長も言ってたな。僕だけだって‥」
「ははっ、朝から惚気はいいよ。ほら、今日の予約一覧表。パソコンもチェックして。」
「はいっ‥」
今日は広報部が主催する金融関係PR意見交換会があり、受付奥のホールで朝一からバタバタと行われていた。
もちろん受付を通って行くわけなので、受付業務もいつもより多忙だ。
受付カウンターへ立ち寄る来客者から会社名、名前を聞く。どのお客様にどのICカードを渡してあるのかシステムで把握していなくてはならないのだ。ICカードの裏にはバーコードがついているので、それをピッとかざして読み取る。
簡単な作業だが、読み取れないままカードを渡してしまったり、誰に渡したのか会社名など聞き忘れたら大変なのだ。何故なら、万が一カードが帰ってこなかったときに防犯上の問題があるので、連絡して返してもらわなくてはならない。
受付に列ができるほど混雑していたが、要は焦ることなく対応していった。
気持ちも落ち着いている。なにかトラブルがあっても過呼吸など起こさないと心に決めたし、なにより成長して岡田次長に追いつきたい。
‥‥営業部に行きたいって意味じゃない‥‥僕も社会人としてしっかり働けているって認めてもらうんだっ。
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