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しばらくは何事もなく仕事ができていた。
でも何回かシステムの不調なのか来客予定が消去されていることがあった。
「あれ‥今日もだ。竜さんパソコン見てみて。朝一で確認した時は1時に経理部宛のご来客あったよね?」
「あぁ、あったな。変だな。約束なくなったのかな。」
不安ながらも予定がなくなることもあるだろうし、と考えていた。
ところが1時になって経理部宛にお客様がいらしたのだ。
「ただいまお取り次ぎ致しますのでお待ちくださいませ。」
ご来客を窓際のソファーで待ってもらうようにご案内した後に竜さんに相談する。
「どうしよう。やっぱり予定があるのにシステム上だけ消えちゃってたんだ‥。連絡だれにすればいいんだっけ。お客様は数理グループの方との約束としか言ってなかったんだけど。内線調べてかけてみるね。」
もたもたとしていると、そこへ数理グループの人がやってきた。
「山田部長宛てのお客様ってもう来てる?」
「えっと‥‥。」
「あっ、来てるじゃないか。」
窓際で待たされていたご来客に近づき挨拶を交わしている。
「どうもお待たせしてすみません。山田が応接室でお待ちしてますので、ご案内します。」
中堅社員と思わしき男性がペコペコと頭を下げ、受付へICカードを取りに来る。
「おいおい。いつからあそこで待たせてたんだ。部長がずっと待ってたんだぞ。連絡は俺にくれってシステムで知らせておいたろ。」
小声で怒られ、僕は申し訳なさで一杯で謝ることしかできなかった。
「なぁ。」
彼らがロビーから去ると竜さんが何か考えているようで話しかけて来る。
「こういったこと、何回か続いてると思わないか。」
「う、うん。朝は予定がシステム上に載ってたと思うし‥。何でかな‥やっぱりシステムの不調なのかな?」
「いや、それで来客予定が一件だけ消えるなんてないと思う。」
「確かに‥。」
困惑しているとそこへ青森次長が現れた。
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