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「え、僕そんなことを言ってたんですか……!?」
寝言で謌君の名前を呼んでいた事を知ると、僕は凄く恥ずかしくなってきた。そしてつい、自分の顔が真っ赤になった。慌てながら聞き返すと彼は不意に笑った。
「クスッ、嘘だよ?」
「えっ!?」
「なんて今のは冗談。驚いた?」
彼は僕の前で柔らかく笑うと、少し悪戯な笑みを溢した。
「からかわないで下さい……!」
「あはは、キミって面白いな?」
「もー!」
「なんか久しぶりに笑った気がする」
「え?」
「いや、何でもない――」
彼はそう言って僕をおんぶしたまま、前を真っ直ぐ歩いた。そして、体育館の側で僕を下ろした。
「ここでいいかな。歩ける?」
「はい、大丈夫です……!」
「そう。僕もそろそろ準備に戻るよ、あまり遅いとあいつらに怒られるし。生徒会は何かと仕来たりにはうるさいからな。僕は別に生徒会に入りたくて入ったわけじゃないけどさ……」
「あの、貴方は……?」
僕は別れ際に彼の名前を尋ねた。
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