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おはよう
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「ん・・・。」
朝日が目に染みる。
時計を確認すると、6時半。
最近、目覚まし時計無しでも起きたい時間に起きれるようになった。
重い体を無理やり起こし、憂鬱な気持ちを抱えたまま、リビングへ向かう。
「おはよう!!」
頭に響く大きな声に思わず溜息が漏れそうになる。
「昨日夜ご飯食べてないでしょ?だから朝はちゃんと食べた方がいいかなってちょっと張り切っちゃった!!」
テーブルを見る。
こんがり焼けたパンにジャムが塗ってあり、サラダと目玉焼き付きというまさに理想の食卓というべきものが並んでいた。
本来なら美味しそうと思わざるを得ない目の前のものに、俺は食欲を微塵も感じない。
これを目の前にいるこいつが俺のために朝早くから作ったと思うと、嫌悪感さえ湧いてくる。
「…今日は」
「?」
「朝会議があって時間ないから」
「…そうだったんだね!気づかなくてごめんなさい。でも昨日の夜も食べてないんだからお昼はちゃんと食べた方がいいよ?」
はい、と少し大きめの弁当を渡される。
重いそれを鞄にしまい、重い足取りで玄関へと向かう。
「行ってらっしゃい!頑張ってね!」
「…」
ガチャリ。
今日も俺の1日は憂鬱な気分で始まった。
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