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84 何か
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今日は快の卒業式
いつもよりしっかり制服を着用し、明るい笑顔をして学校に行ってしまった
もし、俺が学校に行けてたら卒業する姿を見れたのに、今はこのだだっ広い家にただ1人快の帰りを待つ身となってしまった
それにしてもこんなおめでたい日だというのに、大学合格ときも快に何もしてあげれなかった
なにか出来ることがないか、田中さんに聞いてみようとリビングに向かうと、テーブルを拭いていた姿がある
「どうかされましたか?」
「いや...あのね、快にかしたいんだけど...外出許可出してくれないから何も買いに行けないから、他に出来ること無いかなって、、?」
「でしたら、今晩の料理をお作りになってはどうでしょうか」
「それがさ、俺料理出来ない」
「私がお教え致します」
流石、田中さんだなと思った
何も出来ない俺に料理を教えてくれるなんて本当に紳士だ
見惚れてる間に田中さんは料理の準備を始めていた
「快様がお好きな料理は...寿司、グラタン、オムライスなのですが、この中でメインは何にされますか?」
あ...快が好きな食べ物...
俺本当に何も知らないんだ
だから何もできないんだな
「蘭夢様?」
「あ、えーっと寿司?が良いんじゃないかな」
「分かりました。それでは魚のおろし方ですね」
多少落ち込みながらも、これも快が喜んでくれるだろうと頑張って田中さんが教えてくれる事を真面目に聞いて学んだ
「魚は基本三枚下ろしをします。このようにここの骨は硬いのでしっかり刃に力を入れていきます」
「こう?」
「御上手ですね!そうです!」
まるで学校の先生見たいに優しい口調で教えてくれる
すると田中さんは声を出してガッカリした顔をしていた
「すみません。私としたことが、、、盛りつけ用の野菜を買ってくるのを忘れてしまいました...」
田中さんでも忘れることがあるのかと少しビックリしてしまった
「俺、家にいるから行ってきていいよ!」
と、言うが田中さんの表情が晴れることはない
きっと俺を家に1人にさせない様にとか快に言いつけられてるんだろう
「いえ、一緒に買い出しに行きましょう」
「え?でも快は許さないんじゃない?」
「快様から一緒になら、と言われていますから」
田中さんと快は一体裏で何を話し合って、企んでいるのか...
「分かった」
俺はそう一言言って久々に外へ出た
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