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一人の青年が窓際に立ち、外界で降りしきる雨を眺めていた。
屋敷の明かりはすべて消えており、また、厚い雲が月を覆い隠しているため、その表情を伺うことはできない。
しばらくして、暗闇からスッと人が現れる。
「おやすみにならないのですか。戻らないと、ご主人に怒られてしまいますよ」
「あぁ、あと少しだけ。......それにしても、これでは桜が散ってしまうな」
物音ひとつしない屋敷に二人分の声が響く。
「そうですね。ご主人は桜がお好きですもの。明日は残念に思われるでしょうね」
「あぁ。そのせいで俺に当たらないでもらえると嬉しいんだがな」
「あら、それは無理ってものですわ。ご主人はあなたをいじるのが大好きですもの。理不尽なことにも対応してこその従者ですわ」
大きなため息をつきながら歩き出した影を、ふふふと笑いを漏らす影が追う。
パタンと何処かの扉が閉まる音がし、屋敷の中は再び静まりかえった。
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____......
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