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___......春
「いってらっしゃいませ、」
「......学校ねぇ」
正門に停められた車から降り、目の前の校舎を眺める。
レンガ造りのそれは昨年度に改修工事が終了したらしく、新しい。それにもかかわらず、荘厳さを感じるのはこの学園の雰囲気ゆえなのだろうか。
「さすがは七宮、とでもいっておこうかぁ」
ここは私立藤桜学園。“七宮家” が運営する大学付属の中高一貫高。
そして、僕、四宮遊季がこの春から通う学校でもある。
運転手が一礼するのを背中に感じながら敷地内へと歩を進める。
ぐるりとあたりを見回すと、昨日の雨のせいできれいに咲き誇っていたであろう桜が、ほとんど散ってる様子が目に入る。
入学式なのに桜が咲いてないなんて......。
はぁぁ...気分下がるぅぅー。
今すぐに踵を返して帰りたいところをぐっと堪え、校舎に足を踏み入れた。
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