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......散策開始から1時間半
四宮遊季はスタート地点の庭園で日光浴をしていた。
「いや~、地図で見ると近くにありそうなのに、実際は違うんだよねぇ。この学園広いなぁ。諦めよっかぁ。」って思って諦めたのが30分前。
朝早く着たのに、はやくに帰るなんて癪に障るので、天気もいいことだし、日光浴をしてみた。
「平和、ですなぁ」
空に浮かぶ雲がゆっくりと流れていくのを眺めながらつぶやく。
「平和ではなく、暇、の間違いでしょう?」
不意に落ちてきた影と声に目を瞬かせた。ほんの少しの間をおき、口を開く。
「あっれぇ、魁。もうそんな時間?」
「えぇ。遊季様が指定された、迎えの時間です」
白髪、碧眼の青年_魁が差し出した手を取り、起き上がる、ことはせずに思いっきり自身のほうへ手を引く。
が、遊季がそうすることを読んでいたかのように、魁はぱっと手を離し、再度遊季に手を差し出す。
「正門に車を待たせています。帰りましょう?」
いたずらに失敗し、何も無かったかのように振舞われ、まったく面白くない。残ったのは尻餅をついたときの、お尻の痛みだけ。
当て付けるように、差し出された手を取らず、自力で立ち上がる。
「帰る」
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