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ソファに放り投げられた俺の体の上に、何故か狐塚さんがあの日と同じように乗ってきた。目の前には凄まじい怒りが眉の辺りに這っている顔。すごい、仏頂面が本気で怒ると悪魔と鬼が融合したような顔になるんだ。こんな状況なのに感心してしまう俺もすごい。
「凪」
「っ…は、い」
「俺は今、ものすごーく怒っている」
「…そうみたいですねぇ」
「どうしたらこの怒りがおさまると思う?」
「滝に打たれてきたらいいと思いま~す」
「犯されたいのかお前」
「ひっ!」
犯す!?今犯すって言ったこの人!?こんな同じ人間とは思えない顔で言われると恐怖倍増で俺の息子がちょんぎれそうだよ。考えただけで痛いよ。
でもどうして狐塚さんがこんなに怒っているのか、実のところ俺には分からなかった。この1か月ほど、物凄く避けていたことは認めるけど、避けられていることに対して怒るなら今更って感じだ。それにいつも俺の顔色を伺うように会話をしようとしてたことは分かっているから、怒ってはいなかったと思う。
じゃぁ何で今日になって、しかも今、こんなに怒っていらっしゃるんでしょうか。
「お勉強は出来るのに恋愛の勉強は赤点のお前に、どうすれば俺の怒りがおさまるか教えてやろうか」
「れ、恋愛の勉強…?赤点?」
「とっても簡単だ。俺にキスしろ」
「……は?」
「だから、お前から俺にキスしろ。そしたら俺の怒りはたぶん、おさまる」
何言ってんだこの人。きちんと日本語喋ってる?サルが好きすぎてサル語しか話せなくなっちゃったんじゃない?キスしろ?誰が?俺が?誰に?…狐塚さんに?あれ、サル語が理解出来ちゃった。俺って天才~…なんて、現実逃避もしたくなるよ。
「冗談、ですよねぇ…?」
「なわけねーだろ。ほら、早くしろ」
「無理です」
「俺がしろって言ってんだからとっととしろ。お前に拒否権なんてねーから」
「…俺様発言出た~」
「凪、早くしねーと俺の怒りのボルテージがMAXになるぞ」
うわ、それはやばそう。それだけは何とか阻止しなければ。でもどうやって?キスすればいいって?そんな無茶な。押し倒されてるこの状況だけでも俺の心臓は他人のようにすごい早さで動いているっていうのに。
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