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第20話
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王様は涙が止まりませんでした。正直、王様は「或る人」との結婚はみんなに受け入れられないと思っていました。なぜなら、この国では王族と貴族は同性婚が禁じられているため、みんなには受け入れる土壌がないと思ったのです。
しかし、少なくとも、その場にいた将軍と貴族達は受け入れてくれました。それだけで王様は嬉しかったのです。王様が泣いていると貴族の1人がハンカチを差し出して言いました。
王様、これで涙を拭いてください。泣き顔では国民に顔向けできませんよ。
王様は、ありがとうと言ってハンカチを受け取り涙を拭きました。そして泣き止むと、笑顔でみんなに
さぁ!行こうか!
と言いました。みんなは王様に従って門のところまで戻ってきました。門前で待機していた市民達は大声で
王様万歳!王様万歳!
と叫び、王様一行を歓迎しました。王様が市民達に手を振っていると市民達をかき分けて「或る人」が王様の下に走り寄りました。そしてその場で王様と抱き合い、熱いキスをしました。あちこちから
結婚おめでとー!
と祝福の声があがり、方々から祝福のシャンパンシャワーが降ってきました。王様一行がお城の中に入った後、監獄塔に残った貴族達が市民に事情を説明したのです。辺りはお祝いムード一色です。
ひとしきり祝福の言葉があがった後、市民の代表が前に出て王様に言いました。
改めまして
王様、この度はご結婚おめでとうございます。市民一同、これほど嬉しいことはありません。
そして「或る人」の方に向き直り言いました。
あなたが無実である、ということはよくわかりました。勘違いであなたを貶めることを言い、すみませんでした。しかし、あなたが一切悪くないとも思いません。あなたも1度は国王となった身なのですから。
なので、罰として、王様を生涯愛し、命をかけて守り、何があっても必ず幸せにすると今ここで誓ってください。
「或る人」と王様は誓約書か何かにサインすると思い、差し出されるのを待ちました。すると代表はにこやかに言いました。
真実の愛のキスにのみよって誓いといたします。
王様と「或る人」はみるみる顔が赤くなりました。お互いに向き合い、チラチラと互いの顔を見ては恥ずかしげに俯きました。周囲が息を飲んで見守ります。すると王様が覚悟を決めたのか、沈黙を破り「或る人」の顔を見つめて言いました。
こっち向いて
「或る人」が王様の方を見ると王様は「或る人」の首に手を回しキスをしました。「或る人」も王様を強く抱きしめました。人々は再び祝福の言葉をかけ、心の底から祝いました。
その日、革命は終結しました。
そして、
その日から5日間、街は祝福パレードで大盛り上がりでした。
ちなみに
その5日間、使用人達は大急ぎでお城中を綺麗にし、事前に持ち出した財宝を全て元通りに戻すという作業に追われましたが、最初の3日間でなんとか終わらせました。
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