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創消世界 3
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なんて綺麗なんだろう。
「こちらはブルースターと言って、西洋では結婚式にも使われるんですよ。」
「へ、へえ…」
「こちらは彼岸花です。毒を持っていることから死人花、とも呼ばれているんです。」
「そ、そうなん…ですね」
人と関わりを持たなかった少年は戸惑いを覚えた。
しかし何故か少年は、この男を消したくないと思った。
この男を、この目で見てはいけない。
もし道を外せば、その時僕らは終わる。
少年は男を視界に入れないように、花を眺めるフリをして目を逸らした
少年はこれ以上ここにいても意味がないと思った。
「す、すみません。僕、…帰ります」
もう、ここには来ない。
少年は諦めたように言って男に背を向けた。
もとより、顔を向けてなどいなかったが。
「待って」
「え…」
少年の腕は男によってガシッと掴まれていた。
それでも決して男を見ない。
男を…守りたかった。
「顔を上げて」
「…」
「私を見て」
「イヤだ…!」
少年は男を突き飛ばした
「ごめんなさいッ!!」
少年は店を飛び出した。
あんなに大きな声を出したのは何年ぶりだろうか。
いや、生まれて初めてだったかも知れない。
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