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出逢い
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「あー、それそっち置いて」
重いダンボールをフローリングに置いてから、いつもより少し大きな声が通る
春から一人暮らしを始めるので、友達に引越しの準備を手伝ってもらっているところだ
「爽太荷物多すぎ!女子か!」
「ごめんって」
こう話しているのは友達の桐島潤
中学からの付き合いで一番の友達だ。
「一人暮らしいいなー!
好きに出来んじゃん、色々と」
「…お前の色々ってろくな事ないから」
潤は世間一般的に言うと容姿端麗だ
その上、話も上手くてスポーツもできる
そんな人間が女子に人気が出ないはずもなく、今まで告白された回数は数え切れないほど。
だが、付き合う女の子は取っ替え引っ替えしていて長くても3ヶ月持つか持たないからしい
顔だけ見たら整ってるけれど、中身はちゃらんぽらんで下半身ゆるゆるの奴。
…友達としてなら最高にいい奴だけど
「爽太もモテんのに勿体ねー。
今のうちに遊んどかないと変な女に捕まるぞ」
「はいはい」
変な女には捕まりたくはないし、というか捕まる気はさらさらない
面倒くさいのとか嫌だし
「…で、バイトどこにすんだっけ?」
一人暮らしを両親に許してもらった条件は、生活費は一切出さないという事
仕送りももちろんゼロ。
そのため時給がいい所じゃないと生活がままならないし、というか大学生活どころじゃなくなる
「大学から直ぐの喫茶店。前に潤が話してたやつ」
潤から前にバイトにどうかと教えてもらった店で、時給1200円で駅近、無料のまかないつきというあり得ないくらい好条件の所だ
しかも、大学から徒歩圏内という素晴らしい立地
そう言うと潤は目を丸くしてうるさ過ぎる驚いた声を出した
「えー⁉︎まじ?結局そこにしたんだ。
あの、あれ…従業員と会った?」」
「いや、まだオーナーとしか会ってないけど」
そう言うと潤はそりゃそっか、とやや残念気に肩を落とした
そんな反応されたら聞かずにはいられない
というか今から働こうとしている所が好条件の代わりに何か大きなデメリットあるんじゃないかとヒヤヒヤする
「そこの従業員が何なの?」
すると待ってました、と言わんばかりに瞳をキラキラさせて話し出した
「女の子から聞いた話なんだけど、そこで働いてる人が超絶美人の超絶美形らしくて有名なんだってさ」
何かと思えばそんな事だったのか
とりあえずは頭の中で予想していた最悪な事は避けられた様だった
「はは…っ、何だよその女。冗談だろ」
そして、そんな人も話も聞いたことない。
それに今までそんな言葉がぴったり合う人は見たことがない
だけど潤が嘘をついているようにも見えなかった
「で、それがさ……男、らしい」
「………は⁉︎男?」
この手の類の話には興味がなく、どうでも良いと流してきたけれど今回は流石に聞き流す事は不可能だった
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