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「あー、善くん来た」
タイムカードを切ってから店に出ると、早速来ていた女性客に善さんが声を掛けられる
善さんはスッとその女性の目の前に立ち、あの柔らかい笑顔を浮かべて談笑を始めた
「爽太君、今日は初日だから料理の提供と接客をお願いね。会計と簡単な調理は慣れてきたら俺か善君が伝えるって事でいいかな?」
オーナーは30歳を少し過ぎたくらいの年齢で、名前は西島要さん。
ダンディーな雰囲気がとてもかっこいい
この店は顔採用なんじゃないかと思うほど働いている人はみんな容姿が整っていた
「はい。よろしくお願いします」
そう言った後、善さんと話していた女性客が料理の注文をしたみたいでおしぼりと水が渡された
善さんはちょっと待っててね、と言ってから俺の方へと歩いきた
「今頼んでもらったのがミルクティーとスコーンなんだけど、ここに欄があるからチェックマークと個数を記入する事になってるよ。
それで記入したら中のキッチンの人にこの紙を渡す、っていう流れで料理提供まで繋ぐからね」
ゆっくりと的確で、無駄のない善さんの説明はとても分かりやすかった
紙に書かれたメニューを俺が確認したのを見てからマスターに渡した
今日は平日なので混まないらしく、マスター、善さん、俺の3人で回すことになっていた
「料理が来るまではお客さんと話したり、水が不足してないか確認したり、足りてなかったら注いで、それと身の回りの掃除をしたり…その時々に合わせてやることは変わるかな。
慣れるまでは俺が爽太君に仕事をお願いする形になっちゃうけどごめんね」
申し訳なさそうに謝られるけど、むしろ新人なんだし足手まといで申し訳ないと思うのは俺の方なのに
「いえ、全然大丈夫です。早く覚えられるように頑張ります!」
「うん、ありがとう」
それだけ言うとまた女性客に呼ばれて行ってしまった
この後も喫茶店というにはお客さんの数が多く、なかなか忙しかった
そしてほとんどのお客さんは善さん目当てで来ていて、女性客の他にも男性客も多く見られた
たまに男性客のスキンシップが過ぎるんじゃないか、と思わず入ろうと思ったこともあったけど善さんは上手く避けていたため大きなトラブルは無かった
****
「「お疲れ様でした」」
「お疲れ様。今日はありがとうね」
帰りの時間も善さんと同じで一緒に上がった
俺と善さんの2人が抜けた代わりに、
斎藤千紘という人がシフトに入っていたみたいだ
少し話したけれど、その人も穏やかで良い人そうだったから安心した
「爽太君って帰り何線?」
「成山線です。善さんは?」
「俺も、成山線だよ」
偶然にも帰りの線が同じで、一緒に電車に乗ることになった
しかも、最寄りまで一緒で偶然というものは重なるものは重なるのだと2人で驚いた
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