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「お疲れ様でした…っ」
「あー!ちょっと、待って待って」
バイトが終わって直ぐに荷物をまとめ、一直線に戻ろうとすると千紘さんに呼び止められる
「えっと…何ですか?」
「ねぇ爽太ってアホなの?善の家知らないでしょ」
そう言われて、ハッとする
必死になりすぎて肝心なことを忘れてしまっていた
「最寄りは爽太の駅と一緒で、近くにコンビニと交番に挟まれた道知ってる?」
「はい、知ってます」
「それでその後…」
***
「…近」
千紘さんから道を聞いて行くと複雑なものの、俺の家から近く徒歩だと5分圏内だった
以前偶然は重なるものだと思ったが、こんなにも重なると逆に恐ろしい
そして、千紘さんに食料を補充しておいて、と言われたため理由もわからないまま片手にはスーパーのレジ袋を持っていた
「…っよし」
そしてそのままマンションに備え付けのインターホンを押すと、中から気の抜けた返事が聞こえた
「はい、ってあれ…?爽太君だぁ」
「誰か確認しないで開けたんですか…」
中から出て来た人は勿論善さんで、けれどいつもと様子が全く違った
青白いほどの顔色は桃色に染まり、どちらかというと無駄を嫌うタイプなのにのろのろとした言動や行動に熱が相当高いことを知らされる
「わ…っ」
「ちょっと…」
俺の方へ近づこうと足を踏み出せば膝から崩れ落ちそうになり、それを咄嗟に支える
はずだったが急な行動に対応ができずとりあえず善さんの腕を引いて俺の上に倒れさせる
「…大丈夫ですか?どこか打ってません?」
「うん…ごめん。痛かったよね」
俺の上からそろりと退いて、熱のせいで普段よりも弱い力で起き上がらせようとしてくれる
「…っつか善さんの体熱過ぎです。
家お邪魔しても大丈夫ですか?」
「……うん、いいよ」
善さんは首筋に一つ汗を流した後、落ち着いたトーンで言った
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