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「はい、座ってください」
風呂場に行き、小さい椅子に腰をかけて善さんの腕を引いた
体の力が全て抜けてしまったようにぐったりとする善さんを、俺の膝の上に乗せる
「……かたい」
「そりゃあ男ですから」
膝の上の感触がマシュマロのようなものを想像していたのだろうか
筋肉がついたそこは、触り心地が良いなんてもんじゃない
「……うん、爽太君は男の子だって知ってるよ」
ふわふわとした口調で話すのは珍しい
それが可愛くってつい笑ってしまうけれど、今度からはもう少し加減をしようと決めた
「シャンプーするんで目を瞑っててください」
「……ん」
二回ポンプを押して手で少し馴染ませてから善さんの髪につける
つるつる、サラサラしててリンスなんて要らないんじゃないかと思うほどの触り心地だったし、
小さい頭は直ぐに洗い終えてしまう
するとトン、と胸に善さんが体重を預けてきて後ろから顔を覗き込むと眠ってしまっていた
緩む頬をそのままに泡を流して体も洗い、自分もささっとし終えた
「…起きない、な」
眠ってしまった善さんをバスタオルで包んでベットまで運び、下着だけを履かせて自分に寄っかからせる
髪の水気を取ろうとなるべく起こさないように優しくタオルで拭いて、自分もガシガシと拭いた
それから枕が濡れないように、タオルを敷いて、ベットに横になる
その時に体が離れると無意識に自分の方へ擦り寄ってきた
「ふ………っ、子供かよ」
少し濡れたままの髪の毛を指ですくってはパラパラと落としてを繰り返していると閉じられた瞼がゆっくりと開いて綺麗な漆黒の瞳に見つめられる
「あ、れ……お風呂入れてくれたの?」
「今気が付いたんですか?」
流石に、可愛いとかいう度を超えて無理をさせすぎてしまったみたいだ。
だんだん罪悪感が出てきてまるで許しをもらうように頭を撫でる
「ごめんね、爽太君の方が動いて大変なのに」
善さんが眉を垂れさせて俺にそう言う
意識はもう朦朧とはしてなくて、少しだけ安堵する
「何で謝るんですか。
俺の方こそすみません……なんか、善さんが乱れまくってんの見て歯止め効かなくって」
「……っ、何、言ってんの」
頬をポッと染めて、向かい合わせの姿勢はそのままに視線だけを下に向けてしまう
そうしても黒髪から覗く耳は真っ赤でクスクスと笑った
「ふっ、どのタイミングで照れるんですか」
善さんはたまにずれてる。
自分はサラッとそういう事を言って、照れたりなんかしないくせに、俺がいう言葉に時たまこういう風に頬を赤らめた
「だっ、て……爽太君も夢中になってくれてたって思ったら嬉しいし、恥ずかしく、なって…」
ほら、自分はそういう事を平気で言ってのけるんだ
赤く色づいた頬を見られないようにくるりと反対側を向くと、ぴた、と背中に寄り添われる
「あはは、あったかいね」
今は夏で、あったかいじゃなくて暑いんだろ
そう思ったけどそれもまた善さんらしいと思った
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