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「善さん眠れた?」
千紘さんと楽しそうに話していたのを、俺がリビングに入るとやめて不安げに聞いてきた
「うん。ぐっすり」
そう言うとホッと息をつく翔はと千紘さんは、本当に善さんが大事なのだ
「すっごい眠そうだったもんなー」
笑いながら翔は腕を大きく伸ばして欠伸をする。
少ししけってしまったポテトチップスを手に取って、また食べ始めた
「寝れないんだろうね、あの様子じゃ」
千紘さんも分かっていたようで苦笑いを零す
ご飯もろくに食べず、睡眠もとらない。そんな生活を続けていたらいつかガタが来てしまう
そうなる前になんとかしなければ
「はー、俺が沢山寝てその分善さんにあげられたらいいのになー」
「ぷ…っ、何言ってんの?」
翔のボケなのか、本気なのか分からないそれに千紘さんは軽く吹き出した
でも翔の言っている事は理解できるし、そういう気持ちも痛いほど分かる
「あぁ、あと食欲もな。俺年取ったら絶対太るパターンだから尚更善さんに貰って欲しいわ」
「馬鹿でしょ」
年取ったら太る、とか考えた事がなかった
というか未来を想像する機会がないと言った方が良いのかもしれない。
きっと、善さんは今に必死で、過去に縛られてるから未来なんて見れないのだろう
そう思うと、胸が痛んだ
「起きてケロッと、爽太君おなかすいたーとか言ったら面白いろいよな」
ケラケラと笑いながら翔は話すけど、その顔はやっぱり心配そうに見えた
「でも案外そうなったりして。
善の行動パターンって予想の斜め上を行くから」
「あぁ、確かに」
少し離れた善さんが眠るベッドに、みんなの視線が集まる
すると翔は机に頬杖をついて麦茶に口付けた
「しっかし本当に綺麗な顔だよな。
喋ってないとマジで絵みたい」
そう言われて視線を眠っている善さんに向ける
翔の言う通り、綺麗過ぎる顔だ。
整っているのも良いことばかりじゃないんだと、最近はそう思うようになってしまったけど
「善さんがブッサイクだったら、危険な目にも合わないだろうしもっと生きやすかったんだろうな」
「その言葉の選び方どうにかならないの?」
言ってる事は間違ってないし、むしろ同意見だが翔が言うとなんだか軽く聞こえてならない
「ははっ、でも想像できねー。顔だけブッサイクなのを貼り付けようとしても途中で無理だわ」
「……君本当に失礼だね」
翔と千紘さんは漫才でもやっているのか、と思うくらい息がぴったりだ。
翔は、今のままの関係で良いのだろうか
普通に楽しそに笑っているし、無理してる感じは分からないけれど
もし、俺が翔の立場だったらそれなりに辛い気がする
「え、じゃあさ、善さんが起きる前に何か料理作ろーぜ」
「いいね。俺らが作ったって言えば嫌でも食べるだろうし。うん、決まり」
「あの、ここ俺の家なんですけど。
……まぁもういいですけどね」
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