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新学期
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「爽太!久し振り」
長い休みはもう開けて、大学生活が始まっていた
潤とは何回か遊んだけれど男同士だし、長い付き合いだしで、そんなに頻繁に遊ぶ訳じゃなかった
から長い間会っていなかったような
そんな気がする
「おー、久しぶり。…随分焼けたな」
それはもう遊びました、そう言うくらいにこんがり焼けた肌だった
そのせいか、チャラチャラしてる見た目がより一層増した
「爽太はあんま変わってねぇな。あ、でもちょっとは焼けてんね」
半袖を少し上にずらされて、隠れていた肌を見ると確かに肘下なんかよりは白かった
そんな会話をしながら授業の準備をして、教室へ向かう
「どーだったよ、夏休みは」
「んー…まぁ、ぼちぼち?」
夏休みは色々なことがあった、良くも悪くも。
でも思い出は楽しかった事の方が多くて、今思い返してもつい笑みが零れるような時間もあった
「そっか。あ、一色さんとあれから進展は?」
そう言われて思い浮かんだのは初めてした日のことで、ポーカーフェイスを保とうとするもそれは無駄なことになる
「えっ、何、とうとうヤッた?」
「………」
何を言っても、はぐらかせる自信はないので結局無言を貫く
すると潤はニヤニヤと笑いながら肩に手を回した
「良かったな!もー、肝心なところでヘタレだからどうなったかともう心配で心配で」
「お前は俺の母親か」
いや、母親でもこの手の類の話はしないよな。
潤はわざとらしく演技をするように、涙の出ていない目元を拭った
「ま、ほどほどにな!学生だし」
「ふは…っ、潤には一番言われたくない台詞」
そう言うと潤も確かに、と笑いながら言った
すると廊下のどこからかバースデーソングが聴こえて、周りには野次馬が少々集まっていた
「すっげ…あんな盛大に祝われたらお返し何にするかビビるわ。つかあのグループ全員にあんな事やんのかね」
「さぁ……?まぁ、楽しそうで良いじゃん」
大学生らしいっちゃらしいな。
誕生日か……善さんはいつなんだろう
そういう話を今まで避けていた訳じゃないけど、してこなかったから知らないままだった
「潤の誕生日っていつだっけ?」
「12月4日。え、祝ってくれんの?」
なんか夏っぽいイメージだったから意外だ。
祝ってくれんの、と聞かれて妙に期待されている感じが気まずい
「……気が向いたらな」
「はー!親友の誕生日くらい祝えっての!」
相変わらずギャーギャーうるさい。
だけど、俺もつられて笑ってしまっているから、何も言えなかった
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